S05 夏水怜の死生観 4月15日

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俺は見てしまった。

この世界の裏側を。

ゲームじゃないと到底有り得ないようなことも

出来る。出来てしまう。

こんなに楽しいことはない。助けて……

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――朱鷺森市 朱鷺森商店街:メインストリート AM13:00――


▶小菅沢は、いつものように適度に閑散とした商店街を歩き、駅に向かっていた時だった……


小菅沢「駅前に新しくできた洋菓子店のプリンが食べたいから買って来いだなんて、もみじさんも可愛いところがアリマスヨネー……」


▶小菅沢 神道

 成功

▶駅に向かって歩く人の様子がおかしい。どう見ても身体の一部がドット化しています。明らかに色彩が原色に変わり、カクカクとしています


小菅沢「……!?えっ!?人間、ですよね!?いや、でも、そんなことあり得ません!!」


▶小菅沢 ネットサーフィン

 成功

▶呆然としていると、自分の目の前を歩いていたおばあさんが、マインクラフトのように少しずつカクついていくのが目に入ってしまいます。周りの人々はそれに気がついている様子すらなく、平然と歩いているようですね


小菅沢「あっ!あっ!あっ!おばあさんがっ!でも誰も気にしてない!?流行ってるの!?じゃない!!これは明らかに異常事態だ!もみじさんに報告しなきゃ!!!」


――朱鷺森市 冬泉邸:奉私室 PM14:00――


奉「お姉さんいらっしゃい。紅茶くらいしかないけど飲みますか?」


ことり「おじゃましまーす。ありがとう、いただきます」


奉「あの、その……。お姉さんは学校はじまったけどお友達ってすぐに出来た?」


ことり「あーーーー、うん。まあできたっちゃできたかなあ」


奉「そ、そのぉ……どうやって?私……学校始まって1週間経ったけどお友達出来なくって……」


ことり「こう、具体的なアドバイスみたいなのはできないけど、私はとりあえずぱっと見で趣味の合いそうな人に話しかけまくったかなあ」


奉「は、話しかけるのは得意じゃないです……。お姉さんにライン送るのも3日かかったんですよ……?」


ことり「ううん、確かに自分から~って言うのはなかなか厳しそうだ。―――じゃああれだ、こう、なんか話しかけてください~~~ってオーラを全身にまとうとか!」


奉「え、えぇ……。む、無理ですよぉ」


ことり「まあそうだよねえ……。私もどんなオーラかよくわかんないし……」

ことり「あれ、でも別に学年がいっこあがっただけなんだよね。じゃあ今までの友達と一緒に過ごせばいいんじゃないかな。――それならもしかするといつの間にか友達の友達が自分の友達になってるかもだし」


奉「クラス替えがあって仲の良い友達と離れ離れになっちゃって」


ことり「なかなか厳しいね……。さすがに別クラスの人と友達になるって言うんじゃまたちょっと違うんだろうし」


奉「うん……。お姉さんジャスミン大丈夫ですか?紅茶クッキーも作ってみたんですけど」


ことり「あ、大丈夫。ありがとう。クッキーもいただきます」


――朱鷺森市 朱鷺森公園:散歩道 PM14:00――


???「……はぁ、はぁ。なんとしても伝えなきゃ……! あうっ」


このは「あら、大丈夫ですか~?」


▶このはが手を差し伸べると、転けた少年が恥ずかしそうに手を取ります


幽雅「あ、ごめんなさい。ありがとうございます。って秋月さんですか。ぼ、僕急いでるからごめんね」


このは「ゆーが君でしたか~、急ぐのは良いですけど気を付けてくださいね~?」

このは「って、膝すりむいてるじゃないですか~。え~と……はい、絆創膏です」


幽雅「うぅ……ごめん。どうしても急いでて。棗っていうお兄さんに会いに行かないと。知らせないといけないんだ」


このは「へ~、棗さんにですかぁ。よければいっしょについていってもいいですかぁ?」


幽雅「秋月さん棗さんがどこに住んでるか知ってるの!?僕の命の恩人なんだ」


このは「住んでる場所までは知らないですけど、よく会う場所なら知ってますよ~」


幽雅「ほんとう?秋月さん凄いんだね」


このは「いえいえ~、たまたまこのはのよく行くところに棗さんもくるっていうだけですよ~。美術館にある喫茶店なんですけど~……」


▶このはは喋りながら手を引いて一緒に歩き出し始めます


幽雅「うん、ありがと」


――朱鷺森市 朱鷺森湖 PM14:00――


花恋「むぅ……むむむむむ……はぁ」


枯尾「青ーい空……、広ーい湖……。そして僕の名前は枯尾花……ふふふふ」


▶枯尾は花恋の背後にそろりと近づきます


花恋「ひゃあああああ!な、なんですか?……って枯尾さんですか。心臓止まっちゃうかと思いましたよ」


枯尾「――何やらお悩みのご様子ですね。僕は困っている方の味方です。お金の貸し借り以外なら大体の相談を受けますよ?」


花恋「いや実は……。秋夜の周りに可愛い子が集まってきてて」


枯尾「――成程。貴女は彼とどうしたいのですか?」


花恋「い、いやぁ……。ことりちゃんも彩音ちゃんもこのはちゃんも玲海れみちゃんも可愛くってね。勝てる気がしないよ……」


枯尾「――昔の人は言いました。『諦めたらそこで試合終了ですよ』、と」


花恋「う、うん……。でも秋夜の部屋にあったえっちな雑誌には幼馴染は負けフラグって……」


枯尾「私は彼について詳しくはありませんが、彼は相手が幼馴染だからとか、顔が可愛いからとかで付き合うかどうかを決めるのですか?」


花恋「でもことりちゃんに秋夜はゾッコンだし……。なんでことりちゃんなのよお!勝ち目ないじゃない」


枯尾「――私……。おっと、危ない……。僕は記憶喪失なので恋愛に関しては全く経験がありませんが……恋愛とは勝ち負けなのでしょうか?」


花恋「当たり前じゃない!秋夜は一人しかいないし、ことりちゃんには勝ち目はない。――――既成事実!」


枯尾「――勝ち目?幼馴染で良く彼の事を知っているのは勝ち目にならないのですか?」


花恋「ならないかなぁ。あいつのことを知ってたって有利になるのなんてそれこそ服装の趣味くらいしか……。――って枯尾さん後ろ!」


▶枯尾 回避判定

 失敗 7ダメージ

▶後ろからやってきた、目の洞な人間がドットでカクついたつるはしのようなもので、脇腹を思いっきりフルスイングされます


花恋「えっ……!これは……人、なの……?」

花恋「わ、私は結センパイとかと違って戦えませんよー……。枯尾さん大丈夫ですか?」


枯尾「ええまあ。後10発程食らったら流石に不味いでしょうけど」


花恋「ま、また来ますよあのカクついてるやつ」


▶枯尾 通常攻撃

 ファンブル[精神15ダメージ]


▶枯尾 回避判定

 失敗 13ダメージ


▶枯尾 通常攻撃

 成功 39ダメージ


枯尾 「――ううん。どうにも上手くいきませんね……。……斬り裂け『刃桜』!」


花恋「だ、大丈夫ですか?いっぱいつるはしみたいなので殴られてましたけど……」


枯尾「――――まあ痛いには痛いのですが、思ったよりも攻撃が当たらなかったという事実の方が辛いですね」


花恋「秋夜のところなら結界があるかもしれません。結構由緒正しい場所なんで」


枯尾「――花恋さんを戦闘に巻き込みたくはないですからね……。一応、送ります」


花恋「ごめんなさい。でも、秋夜とか玲海ちゃんも心配で」


枯尾 「心配できる友人がいるのは良い事です。僕もそういう友人が沢山出来ればいいのですが……」


花恋「友人だと思った時にはもう友人ですよ!結センパイが言ってました」


枯尾「ふふふふ。――――仲の良い友人がいれば、僕のように記憶を失ってもきっと、上手くいくのでしょうね」


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM14:30――


小菅沢「大変です!!!もみじさん!!!今、駅に人ならざる者が!!!いや!おばあさんがカクカクしてて!じゃなくて!おかしいんですよ!」


▶腕をクロスして、喫茶店の壁の全面ガラス張りをBAAAAAN!!して入るともみじがブチギレていますね


もみじ「おらガラス弁償しろや!お前そのガラスいくらするってると思ってんだ!!」


小菅沢「あ、いや!その!それは……!そうじゃなくてですね!ホントに大変なんですよ!悪鬼でもないのにあんなに堂々と街中に怪異が歩いてるんですよ!」


もみじ「取り敢えず200万ほど請求するから覚えとけよ……ってマジで?本当だ……。町中が悪鬼に包まれてる……」


▶もみじは慌ててトランクのようなものから機械を取り出してスキャンを始めます


もみじ「私の感覚も衰えてない……。ってことは誰かしくったわね。――棗くん!仕事!」


棗「……はぁ。最近ろくに息抜きが出来ていない気がするんだが……。仕方ないか」


もみじ「まあ異常事態なら被害請求ごまかせるからいいけどね。取り敢えず礼緒くんは棗くんと一緒に駅に行ってくれない?私は上に連絡取ってみる。誰がミスって原因がなにかってのがわからないとどうしようもないわ」


小菅沢「この様子だともみじさんの所にも情報はまだ入っていないようですね。わかりました!行きましょう棗さん!こっちです!」

棗「了解した。人に影響が出るようなやつなら放っておくわけにもいかないな」


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM14:45――


このは「こんにちは~、今日は棗さんいますかぁ?」


幽雅「あ、秋月さん。あの……手離してもいい?」


もみじ「あーごめんいらっしゃい!……っていうかめっちゃ忙しいから後で……。ってこのはちゃん!棗は今出払ってるよ。ところでその子はボーイフレンド?」


このは「いえいえ~、ゆーが君が探してたみたいなので案内しただけですよ~」


幽雅「えっ……いや、そういうわけではなくて。棗さんを探してるんです」


もみじ「今物凄く忙しくって……。はぁ。小学校で待ってて。棗には後で連絡して寄ってもらうから。――――あっ電話だからごめんね」

もみじ「はいこちら朱鷺森支部。えぇ……。その件です。うちの人員10人に対して敵の規模は不明。棗と小菅沢を取り敢えず当たらせましたが恐らく人員は不足していると見ていいかと。街全体が悪鬼になってます。そうです。手遅れになる前に人と資金を融通してくれると。はい」


このは「小学校ですか?あの……また、なにか?」


幽雅「あの人難しい話してるね」


このは「――忙しそうですね~。言われた通り小学校で待ちましょうか」


▶秋月 回避判定

 失敗 10ダメージ

▶後ろから思いっきり鈍器のようなもので殴られます


このは「きゃっ!?な、なにが……?」


幽雅「……!秋月さん下がって!よくないのがいるよ!」


もみじ「――――羅刹に発見されました。現状一般人1人。変身していないのが私含め2名です。拠点に攻撃されたので防衛します。至急援護人員を。……このはちゃん!早く避難して!」 


▶もみじはひらひらとしたピンクのスカートに履き替えて、ショットガンをぶちかますよ

▶もみじ 通常攻撃

 成功 543ダメージ

▶カクカクした存在を粉のように弾け飛ばします


このは「こんなところに……?」


もみじ「何故かはわからないけど襲われてるみたい。そこのボーイフレンドと一緒に避難して。――変身、見られたくないでしょう?」


このは「避難って……。ここに出るようじゃ他に安全なところなんてあるんしょうか……」


幽雅「棗さんならなんとかしてくれるはずだよ。おとなしく小学校で待ってたほうが良いかも」


もみじ「小学校には私の同僚だった奴もいるから安心して。守るだけならあいつだけでも出来るわ」


このは「ふ~……。よし。大丈夫ですよ~、ただじゃやられませんから。じゃあ学校へ行きましょうか~」


幽雅「秋月さん大丈夫?頭、痛くない?」


このは「ひとまず大丈夫です。ありがとうです~」


幽雅「痛かったら言ってね。僕でも盾にはなるから」


――朱鷺森市 冬泉邸:奉私室 PM16:00――


奉「出来ましたー。お姉さん食べましょう……!」


ことり「うん、ありがとう。いただきまーす」


奉「それで……、明日班を組むんです。いい挨拶みたいなのって……ないですか?」


ことり「おー、友達作るチャンス!」

ことり「とはいっても挨拶かー。うーん……。――駄目だ思いつかない……」


奉「最後のチャンスかもしれないんです……。クラスで浮きたくないんです……!」


ことり「でもできるだけ明るく『こんにちは!』とかで大分話しかけてもらえるようになるんじゃないかなー。――それこそ班なんだからこれからしばらく一緒なんだろうし」


▶綾瀬 鍵[的確な指示]

 失敗

▶綾瀬 回避判定

 成功

▶2Fの屋根の窓の後ろで、カクついた人間のような化物が今にもダイヤ色に光るつるはしで窓を割ろうとしてるのが目に入ります


ことり「わっ!ちょっ!?鍵!!」


奉「……どうしたんですか?お姉さん?」


▶ことりは窓の鍵を閉めて、手近にあったもので補強します


ことり「え、あ、うん、ごめん」

ことり「なんか人?みたいなのが窓のとこに見えて……」


奉「ここ2階だよ?お姉さんへんなのー」


▶化け物はダイヤ色に光るつるはしを思いっきり振りかざしますが、窓にヒビが入ったが中に入れる程割れませんでした


ことり「いや、見間違いならよかったんだけど、なんか窓にひびが……」


奉「そうなの?じゃあ見てみるね」


ことり「すとーーーっぷ!!!!」


奉「え?ど、どうしたのお姉さん?」


ことり「いやごめん、なんか、あんま近づかない方がいいかも」


奉「え、う、うん……」


▶化け物は更に振りかぶり、窓にヒビが入って今にも割れそうですね


ことり「よしわかった、場所を変えよう。歩きながら話さない?」


奉「わ、わかりました……。お外のほうが気分転換になるよね」


――朱鷺森市 朱鷺森駅前 PM15:15――


▶駅に着いたあなた達が見たのは、普通に歩く一般人に紛れ、カクつき同じ顔をした人間のように見えるブロックが道を跋扈している光景です


棗「なるほど……。礼緒さんが言ったのはこういう事か。――――不気味だな」

小菅沢「棗さん、気を付けてください、あの……人?達は元々普通の人間のはずです……僕はおばあさんがあの姿になっていくのを見てしまいました……」


▶棗 世間話

 失敗

▶小菅沢 捜査

 失敗


駅員「そうだなぁ。ああ……。マイクラ病っていう都市伝説があるよ。――――身体がカクついていって、一日中マイクラをやり続ける夢を見るんだと」


棗「マイクラ病?それはいつごろから広まった都市伝説なんですか?」


駅員「ここ2,3日じゃないかなぁ。私はサンドボックスはあまり得意じゃなくてね」


棗「なるほど、ありがとうございました」


▶棗小菅沢 回避判定

 失敗 5ダメージ 

 成功

▶とても硬い石のようなものが後頭部に直撃します。どうやら火縄銃の形をしたブロックで撃ち出されたブロックのようですね


棗「ぐっ!?」

小菅沢「すみません棗さん!自分が反応するだけで精一杯で……!このっ!」


▶小菅沢 通常攻撃

 成功 23ダメージ

▶棗 観察力

 失敗

▶手触りはザラザラとしたレンガのようですね。材質はわかりません。

▶斬り伏せたブロックの身体が粒子状になり、少しずつ人間に戻っていきますね。10秒も経たずに、おばあさんが倒れ伏しているのに変わりました。意識はないようですが、息はあります。気絶しているようです


棗「大丈夫だ……。レンガ、かこれは。火薬で撃ち出したのか」

小菅沢「不思議と言いますか……なぜか外傷はありませんね。ただの人間に戻った。ということでしょうか」

棗「マイクラ病とか言ったな。この人がその都市伝説に憑りつかれていたと仮定しておこう。他の奴らは気付いていないようだ、まずは避難しよう」

小菅沢「マイクラ病……聞いたことがないですね……。なにも思い当たりません……」

小菅沢「棗さん、とりあえずこのおばあさんを保護してもらいましょう、肩を貸していただけますか?」

棗「その通りだな。ひとまずこのおばあさんはさっきの駅員さんに保護させよう。あの駅員は話が通じたしな、倒れていたという体で渡した方がこっちも動きやすい」


▶駅員さんにおばあさんを保護してもらいました


▶棗 人脈

 成功

▶7年前、この街で夏水怜という友人がゲームにのめり込んで留年寸前になっていたはず


棗「礼緒さん、俺の知り合いにゲームに詳しいやつがいる。そいつならマイクラやマイクラ病についても何か聞けるかもしれない。会いに行こう」

小菅沢「わかりました。その方は普段どちらにいらっしゃるんですか?」

棗「公民館だ。そこでアニメサークルに所属しているんだ。要は生粋のオタクだ」

小菅沢「――――では、公民館に行ってみましょう。そういえば僕にもそんな知り合いがいました」


▶棗の携帯に電話が鳴ります


もみじ「棗くん?喫茶店が襲われたわ!取り敢えず報告も兼ねて戻ってきて!」


棗「――――わかった、あんたが電話をかけてくるほどの事態ってわけだ。すぐ戻る」

棗「そういうことみたいだ、今はまず紅葉に戻ろう。戻れる程度には安全ってことだからな」

小菅沢「はい!急ぎましょう!」


――朱鷺森市 朱鷺森公民館:周辺 PM15:00――


▶秋月 回避判定

 成功

▶秋月 通常攻撃

 成功 17ダメージ

▶秋月は剣だけを虚空から取り出して、襲ってくるブロックを斬り伏せます


幽雅「秋月さんその剣?みたいなのは何処から?」


このは「あっ……えっと、その、願ったら出てくるもので……できれば内緒にしておいてほしいのです……」


幽雅「プリキュアみたいなものですか。秋月さんは凄いんですね」


このは「そうですね~。でも、このはがすごいんじゃなくって、使えるものを使ってるだけというか、これはこれで普通というか…………」


幽雅「そうですか。僕も誰かを助けられたら……。生きる意味が……ってまた来ましたよ!」


▶秋月 回避判定

 成功

▶秋月 通常攻撃

 成功 14ダメージ

▶ブロックを木端微塵に斬り刻みました。刻まれたブロックは少しずつ人間に戻っていきます。やはり気絶しているようです


このは「えいっ!――――知らないままでいい世界だったと思います。このはは、その、そういうわけにはいかないものだったので……」


幽雅「そうですか……。母様に見つかる前に棗さんに会いたいです。小学校に急ぎましょう!」


▶幽雅は逃げるために、このはの手を掴んで駆け出し、それをそっと握り返します


このは「はい~。また何が来るかわからないです、気を付けていきますよ~」


――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:境内 PM15:00――


▶枯尾 回避判定

 失敗 24ダメージ

▶枯尾 通常攻撃

 ファンブル[通常攻撃禁止]

▶枯尾 回避判定

 クリティカル

▶枯尾 全力疾走

 成功

▶逃げ切ることに成功するよ


枯尾「ぐっ……、腕をやられましたか……。流石にこれ以上は……」


花恋「に、逃げますよ!走れますよね?」


枯尾「――ええ、武器は振るえませんがまだ足は何とかなります」


▶逃げ切った朱鷺森狐火宮神社で、境内の掃除をしていた秋夜を見かけます


秋夜「花恋に……、枯尾花さん?……ってどうしたんですかその怪我!」


枯尾「腕をやられました。――――しばらくは戦いどころでは無さそうですね……」


花恋「取り敢えず怪我してるから手当してあげて!」


▶枯尾 回復の草


秋夜「大丈夫か?まあゆっくり休んでいくといい。幸い参拝客もいないみたいだし」


枯尾 「――――痛みが落ち着いたら傷も塞がってきました。……ただ、まだ腕が痺れますね」


秋夜「しょうがない。凛空りあ、マッサージしてやれ」

凛空「わかったです」


枯尾「――――しばらくは休養、ですね。いざという時に戦えるようにしておかなくちゃ……」


秋夜「ああ。凛空のマッサージは絶品だからな。やってもらうといい」

凛空「気持ちよくなるといいのです」


枯尾「――――んっ♡♡……ふふふふ。これは……。良いですね……。あっ……♡♡♡」


秋夜「お、俺は境内の掃除し、してくるから」

花恋「しゅーやのへんたい!!えっち!」


――朱鷺森市 朱鷺森病院近く:道路 PM16:30――


奉「それで、クラスで浮かないためにはどうすれば……?」


ことり「はーーーごめんね、なんか。――――うーん、浮かないって言ってもなー、なんかしよう!って思って張り切っても、それはそれで逆に浮いちゃうと思うんだよね」


奉「そうですよね……」


▶綾瀬 回避判定

 失敗 4ダメージ

▶物陰からブロックのようなものが飛んできて腰に当たります。かなり痛いですね


ことり「あいっった!!!」

ことり「シャレにならない痛み!」


奉「さっきから大丈夫ですか?」


ことり「ごめん躓いた!なんでもない!今日はもうだめかもしれない!!!」


奉「やっぱりお家で紅茶飲みませんか……?調子悪そうですよ?」


ことり「そう……だね……。――――ん???待った」

ことり「そうじゃん!紺野先生に相談しに行ってみよう!」


奉「え、ええ!?」


ことり「いや、正直ごめんけど私だと手詰まりだし、先生ならそれこそずっとみんなの事みてるんだから、何かいいアドバイスしてくれるかもよ!」


奉「で、でも先生にこういうこと聞かれるのは、そ、そのぉ……恥ずかしいです」


ことり「じゃああれだ、私がそれとなくそれっぽく聞くか、もしくは私が困ってることにしちゃうとか。――――ともかく私より頼りになるのは間違いないと思うよ」


奉「う、うん……。じゃあ小学校行ってみる」


▶綾瀬 回避判定

 成功

▶綾瀬 全力疾走[的確な指示]

 成功[軌道修正]

▶物陰や死角から襲ってくるのを手を引いてうまいこと躱します


ことり 「よし、善は急げだ!走るぞー!」


奉「え?ええ~!?」


――朱鷺森市 朱鷺森小学校 PM16:00――


紺野「君たち!!今は外は危ないからはやくこっちへ!」


このは「せ、先生?学校は安全なんですか~?」


紺野「ああ。詳しいことは言えないけど、僕がなんとかするから」


▶秋月 信用

 成功

▶様子はいつもと変わりません。ただ、焦っているようには感じます


紺野「ほら、石みたいなのが飛んでくるからはやく中へ!」


このは「ありがとうございます~。先生が中は安全って言うなら二人でゆっくり待ちましょうか~」


幽雅「う、うん……」


▶紺野は校舎に入ったのを見届けると、無線機を取り出します


紺野「活動人員を2人保護しました。秋伍さんのところはどうですか?――なるほど。では引き続きお願いします」

紺野「――皐月、そっちはどうだい?わかった。じゃあ僕は自分の責務を果たすことにするよ」


――朱鷺森市 朱鷺森小学校:校舎 PM16:05――


▶秋月 回復薬2個


紺野「その飴は……。秋月さん、同じ飴持ってるので食べますか?」


このは「本当ですかぁ!?えっと、いいんですか~……?」


紺野「ああいいよ。僕は自分で気力戻せるからね」


このは「あっ……。わかりました、ありがとうございます~。ゆーが君は怪我とかしてませんか?大丈夫ですかぁ?」


幽雅「僕は大丈夫だよ。僕より、母様に外出が見つかったほうが怖いかな」


このは「んん~……、大変ですねぇ。その時はよければいっしょに謝りますよ~」


幽雅「う、うん。ありがとう」


紺野「――――そろそろ新しい人が来るな。もう少し待ってもらえると友人が来るかもしれないよ」


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM16:20――


もみじ「おかえりなさい。取り敢えず取り急ぎ報告をお願い」


▶七瀬 通常攻撃

 成功 452ダメージ

▶ヘッドショットでブロックを撃ち抜いて、人間に戻ったのを手際よく喫茶店におんぶで運んでいきます


もみじ「頭湧いてるのがそこかしらに湧いてるから奥に」


棗「カクカクシカジカシカクイムーブ。+ゲームに詳しい知り合いに会いに行きたい」


もみじ「なるほどね。後その魔法通じるの悪鬼内だけだからね……?――といっても私だけじゃしんどいから、どっちか片方はこっちに残ってて欲しいんだわ。守りながらってのは得意じゃないのよ」


小菅沢「いまから棗さんのお知り合いにお会いするつもりでしたが……、どうしましょう。その方は公民館にいらっしゃるんですよね?」

棗「――わかった。礼緒さん、俺が残る。礼緒さんは公民館の夏水怜ってやつに頼ってくれ。俺の名前を出せば信じてもらえるだろう」

小菅沢 「――――怜……さん……。はい!解りました!すみませんがここはお願いします!それでは行ってきます!」


▶小菅沢は黒い羽を伸ばし、何もなくなった吹きさらしの壁から飛んで出ていきました


棗「あ、そいつ女だからな!間違えるなよ!」


もみじ「夏水怜ってあの怜ちゃん?」


棗「うん?知っているのか?」


もみじ「知らなかったの?棗くんがやってるBLAZBLUEで定期的に乱入してボコるだけボコってこっそり帰ってるライチのお客さん、怜ちゃんよ?」


棗「あいつまだそんな荒らしみたいなことを……」


もみじ「適度に格下をボコるのが楽しいんだって」


棗「質の悪いプレイヤーの見本かあいつは。他人の楽しみ方にケチつけるつもりはないが、もう少し楽しみ方もあるだろうに……」


もみじ「まあ取り敢えず、私の27連射が火を噴いてるから、予備弾丸取ってきて。後その辺に転がってる人に殴らさせないように肉壁になるように」


棗「了解した。精々こき使ってくれ」


――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社:居間 PM16:40――


秋夜「凛空ーそろそろ終わったかー?」

凛空「木刀の振りすぎのような筋肉痛だったのです。気をつけるのです」


枯尾「ええ、気を付けます。――僕もまだまだ修行が足りませんね」


秋夜「まあ大方もみじさんの催し物なんだろ?スティーブのなりそこないみたいなのが神社の入り口でうよってるぞ?」


枯尾「すてぃーぶとやらが何かは知りませんが、この様な現象は怪異の仕業と相場が決まっているものです」


秋夜「お、おう……。まあ行くんだったら気をつけてな。あれ手加減なしで振り回してるぞ。――後いい年して中二病はやめといたほうが良いぞ思うな……」


枯尾「――そうですか。……ところで、マッサージのお礼はどのようにすればいいでしょうか?」


秋夜「ああ。凛空に今度パフェでもごちそうしてやってくれ」

凛空「玲海おねーちゃんにもお願いするのです」


枯尾「では今度作ってきますね。好みがあればそれに合わせますが」


凛空「イチゴがいいのです」


枯尾「イチゴ!良いですね、僕も好きです。――秋夜さんはどうします?パフェが良いですか?それとも別のモノが良いでしょうか?」


秋夜「俺はいいよ。それよりキャストの方々が増えてるから相手してやってくれ。入り口でうろついてるからかわいそうになってきた」


枯尾「――ふむ。えっちな本がお好きと伺ったのでそれにしましょうか。では行ってきます」


花恋「へぇぇ~そうだったんだぁ????いつそんなこと言ったの?」

秋夜「オイちょっとまってくれ!って花恋!ち、違うんだ!そんなことを話した覚えは……。弁明して!なあ弁明してくれよ!枯尾花さぁぁ~ん!」


――朱鷺森市 中央通り:交差点 PM16:40――


▶小菅沢 回避判定

 成功

▶小菅沢 通常攻撃

 失敗

▶小菅沢 回避判定

 成功

▶小菅沢 通常攻撃

 成功 24ダメージ

▶空を駆けつつ炎で薙ぎ払って、人間に戻ったのと安全を確認して路地裏で地面に降り立ります


小菅沢「ふっー……邪魔しないでください。」

小菅沢「おや。あそこに居るのは……ア、綾瀬さん!?」


ことり「あらま、礼緒くん?」


奉「お姉さんこの人不審者だよ。防犯ブザー鳴らしていい?」


ことり「あー、うん、一応私の知り合いだからとりあえずやめてあげて」


小菅沢「こんなところで何をしているんですか?」


奉「わかった。このお兄さんも変な動きしてるんだね」


小菅沢「これは変な動きとかではなくてですね……。その……じゃなくて!ア、綾瀬さんどちらへ行かれるつもりだったんですか?出来るだけ安全なところへ避難した方がいいですよ?」


ことり「ううん、なんと説明したらいいやら。――安全なところっていってもなあ。取敢えず動き回ってはいるんだけど」


奉「小学校に行くのではないんですか?」


ことり「はい、その通りでございます……」


小菅沢「ア、綾瀬さん……」

小菅沢「僕はこれからこの件の調査に公民館に人に会いに行くところです。お気をつけて!」


ことり「はい……私達も小学校へ向かいたいと思います……。そちらも気を付けてください……」


奉「またねー」


――朱鷺森市 朱鷺森小学校:職員室 17:00――


紺野「……ふむ。千和くん、キミはここで待っていてくれるかな?秋月さんとお話することがあるんだ」


幽雅「は、はい」


▶紺野はこのはだけを呼び出し、職員室に招きます


このは「お話ってなんでしょうかぁ?」


紺野「秋月さんは七瀬と知り合いだったよね?」


このは「七瀬……えと、もみじさんですね~?そうですね~、よくお会いします」


紺野「そっか。じゃああのマイクラ病に侵された人も見えるよね?」


このは「マイクラ病……。それかはわからないですけど、あのかくかくした人なら見えてます~」


紺野「やはりそうか。僕もさっき電話で話を聞いたくらいだったが、見えているのなら話は早い。悪鬼の存在も知っている、夜叉なんだろう?今はこの街は悪鬼の中だ」

紺野「携帯で見たところ、マイクラというのはゲームらしいじゃないか。今朱鷺森市でそういうサブカルは紅葉と公民館しかない。サークルがあったはずだ。そこの子が原因だと思うよ」


このは「なるほど……、ありがとうございます~。あの、先生はいったい……?」


紺野「昔七瀬と一緒に冒険してただけだよ。みんなには内緒ね。――――さて、僕は悪鬼で倒れた生徒を守る義務があるからここを離れられないが、夜叉の秋月さんは公民館に行って欲しい。出来れば七瀬にも連絡してくれると助かるかな」


このは「わかりました。それと……」


紺野「どうしたんだい?」


▶秋月は幽雅が悪鬼でも動けていること。でも夜叉ではないこと。幽雅が原因と思われる悪鬼が発生したことを伝えます


紺野「なるほど。未覚醒の適性ありってことか。それは夢の残り香って言ってね。夜叉に覚醒しかけているんだ。夜叉に覚醒できれば強力な味方になるが、一歩間違えるとこれまた強力な羅刹を作りかねない。秋月さんも気をつけて見てあげてね」


このは「はい。ひとまず今は、ゆーが君のことよろしくお願いします」


紺野「わかった。そっちも頼むよ」


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM17:15――


▶棗 回避判定

 成功

 成功

 成功

 成功

 失敗 5ダメージ

▶棗 通常攻撃

 失敗

 失敗

 失敗

 成功

 成功 計11ダメージ

▶枯尾 回避判定

 失敗

 成功

 成功

▶枯尾 通常攻撃

 失敗

 失敗

 成功 28ダメージ

▶大量に押しかけるブロックを薙ぎ払ったり打ち込んだりします。人間に戻った先から保護していきます


枯尾「――頑張ってくださいね……『刃桜』!はぁ……。体力よりも気分的に疲れましたね」


もみじ「お疲れさん!それで最後ね。結界を貼るから手伝って」


棗「ふぅ。まさかあんたがここまで手こずるとはな」


もみじ「昔の仲間と違ってまとめてぶち抜けないから時間かかるのよ。守りながらだしね。花ちゃんはそっちの結界をお願いね」


枯尾「――今日はどうにも調子が悪いですね。ここ最近身体の調子がおかしいのでその影響でしょうか」


もみじ「にしてもここまで大きい悪鬼なんて久しぶりよ。手こずったのは誰なのよもう……。悪鬼処理なんて初手が一番大事なんて基本中の基本じゃない……」


棗「昔の仲間、か。すまない、今回ばかりは素直に感謝する」


もみじ「おっと電話。ってこのはちゃんか」


▶もみじは発砲して机の上にあるスマホをこちらに飛ばしてキャッチして電話に出ます


もみじ「うん。おーけー了解。その昔の仲間が公民館にボスがいるかもだから行ってくれって」


棗「!公民館にだと……?まずいな」

枯尾「この鬱憤は怪異の親玉にぶつけましょう」


▶棗と枯尾が飛び出したのを見て、結界を目に見えて結界を組み上げる速度をあげます


もみじ「後詰を用意するのも大変ね……。水上、んで鳥江姉弟。長野支部からの救援はまだかしら?あいつらもしくじるとそれこそ長野県だけじゃ済まなくなるわよ。急いで!」


――朱鷺森市 朱鷺森小学校:校門 PM17:10――


ことり「先生こんにちはー」


奉「せ、先生!今日は土曜なのにどうして学校に?」


紺野「いや休日出勤でね……。って綾瀬や冬泉に言っても仕方ないか……はは」


ことり 「うっわあ……ブラック……」


紺野「何処もそんな感じだよ。まつ……、冬泉、みんな来ているから遊んでいくと良い。綾瀬には家庭教師のことで話すことがあるから先に行っててくれ」


奉「は、はい。また後で」


綾瀬「あとでねー」


▶今度はことりを職員室に招きます


紺野「さて綾瀬。最近七瀬のところに行ってるらしいじゃないか。ということは君も七瀬の被害者で夜叉なわけだ。みんな公民館に行ってるから合流してやってくれ」


ことり「ん?公民館ですか?」


紺野「ああ。秋月さんをけしかけたんだが、言った手前不安になってね。見に行ってきてくれないか?サポートは何人いてもいい」


ことり「ん、んん?そういえばさっき知り合いも公民館に行くって言ってたんですけど、何かあるんですか?」


紺野「綾瀬のその傷を作った大本の原因だな。綾瀬も怪我してるじゃないか。ちょっとまってくれよ……。――――癒やしの輝きを!ファーストエイド!」


ことり「というか、ん?なんで先生がこのはちゃんをけしかけたりしてるんです?」


▶紺野 ギガヒール

 678回復


ことり「え、あ、ありがとうございます?」


紺野「守ることしか出来ない僕の代わりに行ってくれると助かるんだけど、出来るかい?」


ことり「あ、はい。えっと、任せてください?」

ことり「このはちゃんも気になりますし、ちょっと行ってきますけど、気になることができたんでまた後できますね!!!!逃げないでくださいよ!!!」


紺野「大したことじゃないんだけどね……」


ことり「あ、あと奉ちゃんが何か困ってるみたいなんで、良ければ相談に乗ってあげてください!」


紺野「あ、ああ……」


――朱鷺森市 朱鷺森公民館:会議室前 17:15――


▶アニメ・ゲームサークルが行われている会議室の入り口が作業台や机で封鎖されていますね。その上から溶岩がメラメラとかけられています


小菅沢「溶岩……!?まさかセルリアn……ではないと思いますけど。封鎖されている。これじゃあ」


▶小菅沢は肩を入れて何度もタックルしたけど、自分が傷だらけになるだけで通ることは出来ませんでした

 10ダメージ


小菅沢「この様子じゃ中に居る夏水さんが心配です!中に入らないと!」


▶小菅沢 ナビゲート

 成功

▶公民館の裏手に水道があるみたいです。裏手にこのはがちょうどやってきたところのようですね


このは「公民館、ここですね~。あっ、小菅沢さ~ん」

小菅沢「たしか水道がこっちに、おや、このはさん!ちょうどよかった!手伝ってもらえますか!」

このは「どうやらここが中心らしくてっ。はい、お手伝いします~」


▶このはと一緒にバケツで水を運び、かけると溶岩と思えない程急速に冷え、触れるほどの岩に変わります。その勢いでバリケードも崩れ落ちます


小菅沢「予想以上の効果で正直驚きを禁じえません。ですがこれで問題はなくりました!中に入りましょう!」

このは「そうですね~。中は大丈夫でしょうか」


――朱鷺森市 朱鷺森公民館:会議室中 17:30――


夏水「ちっ……。なんだこいつ。溶岩かけても死なないのか」


小菅沢「あ、レイ君!今日も居るんですね、ところでちょっと人捜してるんだけど、夏水怜って人知らない?」


▶夏水がカクついたバケツで何処からか出てきた溶岩を黒い卵のようなものにかけています。ですがあまり意味はなく、寧ろ分裂させています


夏水「それは俺のことだな。この化物をなんとかしたいんだがどのブロックを生成しても死なねえんだよ」


このは「あ、あの、外まで溶岩が流れていたのでいったん止めた方がいいかと……?」


夏水「ああ。それは俺がやったんだ。マイクラみたいなやつがコイツから出てきて、人を取り込もうとしてるから溶岩でせきとめてたんだよ」


秋月「あ……なるほど、とめていたんですね~」


▶卵は目の前でくるくると回っていますね。時折光ったかと思うと、またくるくる回っています


夏水「どうやら、今は思ったものがそのまま出てくるらしいんだ。俺もゲームの知識総動員してるがどうにも威力がない。まるで夢のようで気持ち悪いがやれることはやらないとな……」


小菅沢「レイ君……まさかとは思ってたけど同一人物だったんですね……。これが今回の騒動の原因なのは間違いなさそうですね。レイ君、この卵のようなものに思い当たりはないんですか?」


夏水「これか?これはスポーンエッグだな。マイクラの敵を発生させるやつだ」


小菅沢「これを壊せばいい、ということですが、あらゆる手段はすでに試しているのですよね。ならあとは……」


夏水「うおっ……!?な、なんだ……!?」


――朱鷺森市 朱鷺森公民館:会議室前 17:40――


棗「ぜー、ぜー……。久しぶりに死ぬほど走ったな……。――さて」


ことり「はーーー、疲れた……。もう疲れた……。なーんか今日は思うようにいかないなぁ」


棗「やあ綾瀬ちゃん。どうやら、同じ理由で辿り着いたみたいだな」


ことり「はー……。あら真貴さん」


棗「もみじさん曰く、ここに今回の異変のボスがいるらしい。覚悟して入るぞ」


ことり「なんか、皆で一斉に動かなくても案外同じ場所にたどり着くんですね。――真実はいつも一つ!ってことですかね!」


枯尾「――ゲームが現実に?……寧ろ現実がゲームに。――ううん、面倒ですね」

棗「礼緒さんが先行してくれている。急ごう」

枯尾「――――今日は散々でしたが……。まあ、何とかなるでしょう」


ことり「はい、ささっと終わらせて帰りましょう。今日はもうあんまり何もしたくないです……」


――万物の創造場――


▶公民館の一室を全て丸壁のドットで覆い尽くし、そこから大量に骨のドットを呼び出しまくりますね。放っておくと街中にブロックが蔓延するレベルです。ことり達も合流します


このは「ふむ~?壊せばいいんですかね~?」

小菅沢「壊れるまで殴れば壊れます!」

棗「なるほど、片っ端から潰せばいいんだな」


夏水「棗ェ!来てくれると信じてたぞ!要は湧き潰しだ。俺はもう限界だから頼んだ……」


棗「調子のいい奴だなお前は。ああ、任せろ」

枯尾「さて……。狩りの時間ですね」

小菅沢「皆さん来てもらってすぐで申し訳ありませんが、手伝ってください!」


[ドットスケルトン召喚(サモンを1体召喚する)]


▶棗 通常攻撃[狙撃、貫通]

 成功 18ダメージ

[ドットスケルトン召喚]

▶ドットスケルトンを2体撃ち抜いて破壊します


棗「おい、倒したら増えたんだが」

小菅沢「まさか……」

枯尾「1匹いたら30匹……は、違いますか」


ことり「え、まさかこの間に引き続き今回もそんなのなの……」


▶小菅沢 通常攻撃

 成功 23ダメージ

[ドットスケルトン召喚]

▶ドットスケルトンを弾き飛ばした拍子に卵が割れて、掻き消えます


小菅沢「っ!倒せば増えるようですね……!間違いなく!!!」

このは「あれ、でもあのたまごは消えましたね~」

枯尾「――つまりは残りを片付ければ終了、と」


▶このは 通常攻撃[襲爪雷斬]

 失敗

 失敗


▶ドットスケルトン 通常攻撃

▶枯尾このは 回避判定

 成功

 失敗 13ダメージ

 失敗 16ダメージ

[枯尾:小剣]8ダメージ

▶一瞬バランスを崩した瞬間に、スケルトンはピッケルをお腹に突き刺し、エグるように回します


枯尾「流石にそう何度もくらいませんよ!」

このは「いや~!やめてください……うぅ……」

枯尾「中々に強いですが……脆いですね」


▶ドットスケルトン 通常攻撃

▶綾瀬棗 回避判定

 失敗 8ダメージ

 失敗 失敗 計21ダメージ

▶ドットで出来た剣を背中に袈裟斬りでバッサリ斬りかかり、棗の喉にドットのつるはしを突き刺し、思いっきり捻りながら引き抜きます


ことり「いっだ!!!!」

ことり「だめでしょこれ!!!エッグい!!!!!!!」


棗「っづ、がぁっ!ゴホッ……おいおい、シャレにならねーっつの」

枯尾「――――死なないようにしないといけませんね」


▶枯尾 通常攻撃

 成功 35ダメージ


▶ことり 有刺鉄線


▶棗 高速回復薬 ポカリ 風の御札

 通常攻撃[狙撃、貫通]

 21ダメージ

 成功 13ダメージ


▶小菅沢 通常攻撃[もっと狙って]

 成功 26ダメージ


枯尾「――――舞い散れ……『刃桜』!」

棗「悪いが全部的だ。デア・フライシュッツ!フォイア!」


ことり「がんばえー」


小菅沢「外す気がしません!これで終わりです!」

小菅沢「掃討完了!ですかね?」

枯尾「――お見事!」


▶少しずつ丸壁ドットだった壁が見覚えのある公民館に戻っていきます。少しずつドットが掻き消えていくことから、悪鬼が消滅したのだと目に見えて実感することが出来ます


夏水「お前ら凄いな。日頃どんだけゲームやればそんな精密に出せるんだ」


棗「やかましいぞこの廃人!ちゃんと説明してくれるんだろうな!?」


夏水「知らんわ!公民館で寝てたら気づいたらこうなってたんだよ!俺だって折角ヒーローになれるかと思ったらファミコンみたいなのしか出せねえしよ」


枯尾「つまり……、今回の原因でしょうか?」


夏水「おっと待て待て待て。そんな紅桜みたいなので斬られたら死んじゃうだろうが。原因の心当たりっつーとあれだ。一瞬アーリマンみたいなのを見たんだよ」


枯尾「僕は人間を斬ったことはありませんよ……。多分。何分記憶喪失の身なので確実ではありませんが」

小菅沢「普段から……似たような事をしているからですかね。今回も原因ははっきりとはしません……」

このは「ゲームをやり込めば、もっと強く……?このはももう少し頑張ってみましょうかぁ」


棗「アーリマン?」


夏水「ほらFFにいるじゃんか。一つ目の羽根生えたやつ。――――いやでもあれは緑だったし羽根もねえな」


このは「アレが、ここに?」


▶このはは思い出すと肩を震わせて、身体がすくみます


棗「一つ目で緑色の羽が生えたやつ……知らん。それより聞きたいことがあったんだ夏水。マイクラ病ってやつについて、何か知らないか?」


夏水「マイクラ病?夢の中でマイクラやってしまってたりとか池の水バケツで汲んだら……、いや違うな。都市伝説の方か。確かにドット絵のやつは逃してしまったがあれは今日の話だしなぁ」


棗「今なんて言った」


夏水「ん?ドット絵のやつ?」


小菅沢 「さっきのアレ。ですね」

棗「それだ。逃がしたとはなんだ、さっきのとは違う奴か?」


夏水「違う奴だよ。あの卵が気づいたら延々湧かせてたから溶岩でドア塞いだんだよ。卵より小物だったから後でいっかなとか思ってな」


このは「もしかして街中で襲ってきたやつですかね~?あれならいくらかは倒してきましたよ~」

棗「――――つまりあれか、お前はよく分からんものを逃がしてそのままってことか……」


夏水「いや一人だとどうしようもなかったんだよ!お前ら来るまで俺孤軍奮闘だったんだぜ?もっと褒めてくれてもいいくらいだ!」


棗「ああそうだろうよちくしょう!お前に言ってもどうしようもねーよな!!――むしろ手掛かりがあっただけ収穫か……後で詳しく聞かせてくれ」

小菅沢「棗さん、レイ君はよくやってくれてましたよ!それに本来関係ないはずの人ですし、仕方ありませんよ。それよりさっきのアーリマン話の方が」

棗「分かってる、分かってはいるんだがついな……」

小菅沢「それでは僕らは町の方へ残党狩り、というか異常が無いか見てまわってもみじさんの所へ帰りましょう」

棗「――――そうだな、無事で安心したぞ夏水。今度は格下狩りなんかじゃなくちゃんと対戦してくれよ」


夏水「うぇ……バ、バレてたのか……。また今度な」

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