S03.1 七瀬もみじのマイクロビキニ計画 3月25日


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM15:30――


枯尾「――ご存知かは分かりませんが、僕は定住の地を持たない身なので友達付き合いをしたことがありません。記憶喪失ですし」

彩音 「友達付き合い、ねぇ……」

結「記憶喪失?大変そうだねー」

枯尾「ええまあ、それでできれば僕と友達になっていただければ、と思いまして声をかけさせていただきました」

彩音(友達って、こういう形でなるようなものじゃないような)

枯尾 「で、何をするかということですが……」


▶と言うと、『サイコパスでもできるかもしれない!友達の作り方!』と書かれた本を取り出します


もみじ「キラン」

彩音(あっ……。厄介事の気配)


枯尾 「……この本曰く、『友情は共に同じ事をする事で育まれる』だそうです。なのでとりあえずは皆で一緒に同じ事をするのが良いだろうと」

結「おおー、枯尾花さんは準備がいいねー」

彩音「同じ事……。例として何を考えました?」

枯尾 「――僕達が共同で何かをするとなればこれはもう、怪異狩りかな、って思いまして……。その、駄目ですか?」

結「怪異ってなんだっけー?」

枯尾「この世ならざるモノ、人の負の面、まあ色々ありますが端的に言えば悪い化物です」

彩音「化け物を狩り狩りすることです……。でももっと平和的なことにシフトチェンジしてほしいんですけど」


もみじ「本当は羅刹って言うんだけどね。覚えてくれないのよ……。悪い化物というよりかは悪い感情のほうね」


棗「――よくもまぁ絵にかいたようなテンプレの胡散臭い本の内容を実践しようと思えるな」

枯尾「まあ、胡散臭いとは思いましたが本屋の自己啓発本コーナーも同じような感じだったのでいいかな、と」

彩音(考え方がふんわりしすぎている)

棗「知っているか?そういうのを真剣に考えるやつほど関わりたくないって思うもんなんだよ」


もみじ「一概に悪いってわけじゃないんだけどね★このはちゅわ~んこんなの作ったんだけど着ない?????」 


▶もみじはくるりと一回転しながらこのはにマイクロビキニを渡します


このは「これ、着るものなんですかぁ?ほとんど裸と変わらないと思うんですけど……」

枯尾「というかですね、昨日既に行きつけの廃墟にいつもの入り口を見つけたので早めに処理した方が良いと思いまして……」

結「私は何でもどんと来いだよー」

彩音「んー……私としては敵情報が少ない状態で行くのは遠慮したいところだけども」

棗「しかしまぁ、聞いちまった以上は手伝うさ。頭が痛くなる付き合いだが、目が届かない所で勝手やられるよりは遥かにマシだからな……」

枯尾「――まあもみじさんのその服はちょっと怪我が目立ちそうなので僕は着ませんが……っと、他の人の被害が出る前に駆除したいのです」

結「枯尾花さんは偉いんだねー、いいよー、行こう行こー」


もみじ「廃墟って、神社の近くの洋館のところよね?ちょうど討伐命令が来てるし。謎パゥワ~、というか補強概念で普通の服より怪我しにくいんだぜ★」

もみじ「ということでどうぞ着ていって。た・ま・た・ま、女の子全員分あるから是非是非」


このは「そうなんですかぁ~。もうちょっとかわいければもっと嬉しいですね~」

彩音「自分から露出狂になる気は無いので遠慮します」

枯尾「――僕の元々の怪我が目立ちそうなので……どっちかと言えばメイド服とかの方が良いです」


もみじ「着ないと報酬私がもらっちゃうぞ★」


このは「そんなこと言われなくてもこのはは着ますよ?無理強いはよくないですよ~」

結「えー、資金不足だから報酬貰えないのは困るなぁ……」

枯尾「――中に着る、というのは駄目ですか」

彩音(タダ働きは嫌……。でもあれは……いやでもさすがに……あぁ面倒になってきた)


もみじ「諦めて着なさいな。その代わりダンジョンのショートカット作っとくから★」


棗「――やっぱり俺は行かなくてもいいか?正直一緒に居たくない」

枯尾「――行き帰りのショートカット……。せめて傷を隠す何かが欲しいですね」


もみじ「棗くん~?割烹着あったからあれ花ちゃんに渡してあげて~」


棗「そこでなんで俺に振るんだ俺に。少し待ってろ」

彩音「――――すごく釈然としませんが、着ますええ着ちゃいますもうどうにでもなってください」

結「背に腹は代えられないってやつだねー、私も着るよー」

棗「あったぞ。とっとと受け取ってくれ。あんまりこの店の物は触りたくないからな」

枯尾「ありがとうございます。これでお腹の傷が見えなくて済みますね」


もみじ「裏口に落とし穴あるからそこ落ちたら最深部になってるからよろしく。じゃあ更衣室に行きましょうか!!」


彩音「来ないで……!」

棗「おっとそうだ、水上。これを渡しておく」


▶棗は珍しそうな形の弾丸を1発渡します


棗「何かあったらそれを地面にでも叩きつけろ、合図になる。それまではここでゲームしてるから、じゃあ頑張ってくれ」

このは「あれ、ついてこないんですかぁ?」

彩音「あらありがとう。……まあ、うん。この状況で来たら間違いなくアブナイ人認定されるからね」

棗「そんな奇抜集団について行きたいやつがどこにいるんだ、どこに」

結「とか何とか言いつつほんとは来たいんじゃないですかー?」

棗「触るな俺に被害が向くだろう」


もみじ「●REC」


――朱鷺森市 萩野朱鷺森神社近く:旧榎谷洋館玄関周辺 PM16:00――


枯尾「確かこっちの方ですね……。大丈夫ですか?顔が赤いですが」

彩音「心穏やかに見えるのなら眼科に行ってください」

結「こんなの着る機会ないよねー」

このは「服がないのは変な感じがしますね~。すーすーします」

彩音(至急、羞恥心というものを覚えさせないと後々マズいことになりそう、この人達……)


もみじ「●REC」


枯尾「お、ありましたね。準備は良いでしょうか?」

結「ことりちゃんがやってたのはー、こうで……うん、これで大丈夫かなー」

彩音「はい、もう大丈夫、です……」

このは「じゃあまいりましょ~」

枯尾「では行きましょうか。さて、鬼が出るか蛇が出るか……ふふふふ」


もみじ「――――――見てきなさいな。生きた証を」


――――鮮血のジム――――


▶中に入ると血まみれになっているトレーニング施設のような場所です


???「みんな~今日も元気にィ~?マッスルマッスル!俺っちの大腿筋膜張筋が唸りを上げてるぜィ」


枯尾「ええと、これは……また……毛色の違う……?」

結「いでよ神龍ー」


???「皆さんジム通いに丁度いい服を着ていらっしゃる!これはァ是非個別指導でインナーマッスルを鍛える必要があるようでェ」


彩音「私は今メンタルを鍛えるので精一杯ですので」

このは「あらぁ、これジムに行くお洋服なんですか~?」

結 「うーんちょっと違うけどそんな感じだよー」


???「その通りだぜお嬢ちゃんン。筋肉の!激しい高鳴りを!俺っちとマッスルマッスルしようぜェ!」


枯尾「林檎ジュースぐらいなら作れますが……。それとは違うのですか?」


???「筋トレは握力だけ鍛えても意味がないのだァ。全体を満遍なく鍛えてこそのマッスルマッスルなのだぜェ!」

彩音(頭痛で倒れたい)


枯尾「――毛色が違うとはいえ、怪異は怪異!僕達の友情パワーで切り刻んであげましょう!」

このは「このは、頑張っちゃいます!」

結「おー」

彩音「……おー」

枯尾(――これを乗り切ったら次は遊園地とかデパートで一緒にショッピングとか映画とか行けるかも知れませんね……!)


▶水上 スロウ

▶秋月 通常攻撃

 成功 16ダメージ

 成功 16ダメージ


彩音「詠唱サービスは今日はキャンセル」

彩音(早く終わらせたいなぁ……)


マッスル「いい負荷だ!ありがとう!」

彩音(うわ)

マッスル「いいタックルだお嬢ちゃん!ビルダーの素質があるぜェ!」


このは「かわいいと思えないのでこのはは遠慮したいです……」

結「パワータイプには素早さで勝つ……。なんか良いのないかなー」


▶結 デリバリー[傘妖怪ピンバッジ]ウインドウェポン 枯尾

▶タクトを振ると、枯尾の武器の周りに風の渦が巻き上がります


枯尾「おや、これはまた……」


マッスル「筋肉の使徒になろうぜェ!」


▶マッスル 鉄分は筋肉に大事だぞ!(物理4d4+3)

▶このは 回避判定

 失敗 13ダメージ

▶ラリアットで思いっきり首に当てるとそれと同時に腕から牙が生え、このはの首に噛み付いて血を吸い、弾き飛ばします


マッスル「うぅむゥ……鉄分が足りてないぞお嬢ちゃん!プロテインを飲むんだ!」


このは「む~、そんなはずないです。ちゃんと好き嫌いなく食べてますぅ!」


▶枯尾 魔眼 通常攻撃

[傘妖怪ピンバッジ]

 失敗

 失敗


結「この缶バッジが目に入らぬかー!限定ものだぞー!」


マッスル「そ、それは!?!?一部で数量限定でしか手に入らないプロテイン公認キャラクタープロティンくんではないかァ……」


結「( ・´ー・`)」

枯尾(ちょっと欲しいかも……)


マッスル「眼力を鍛えるには筋肉だぞ!筋肉はいいぞ!」


枯尾「――うーん、怪異には僕の目は効きそうに無いですね」

結「筋肉には勝てなかったよー」

彩音(他に言葉を知らないのかこいつ)

枯尾 「――くっ!見た目の割には素早いですね……!」


マッスル「フハハハハハ!二の腕を鍛えることだ!」


▶彩音 水泳で判定 スロウ

 ファンブル[攻撃行動禁止]


▶このは 通常攻撃

 成功 

 クリティカル 計46ダメージ


彩音「ええと確か……いった!腕が、いったた!!!――こ、これだけでも」


マッスル「いいタックルだお嬢ちゃん!これは効いたゼェ」


このは「その余裕、なくしてみせますから!」

結 「あれ?私携帯なんか持ってきてたっけー?」


▶結 デリバリー[スライド式携帯電話]ウインドウェポン


結「まぁいいかー、もういっちょー!」

枯尾「――次こそ当てて見せましょう」


マッスル「筋肉のフェスティバルを見せてやろう!」


結「筋肉がまぶしー」


▶マッスル ダブルラリアット・フリーダム(全体物理4d4+3)

▶全員 回避判定

 彩音成功 他失敗 18ダメージ

[枯尾:小剣][結:スライド式携帯電話]


▶回転しながら首にラリアットを当て、腕の筋肉を膨らませて更に弾き飛ばします


マッスル「鍛え抜かれたァ肉体は!膨張させることができるのだァ!」


結 「うわぁ!」

枯尾「痛いッ!」

このは「ひゃあ、危ないです」

彩音(全員に当たらなきゃ意味がないっての)


マッスル「筋肉のフィーバーは続いているゼェ!」


▶枯尾 魔眼 通常攻撃

 失敗

 成功 43ダメージ


枯尾「舞い散れ……『刃桜』!」


マッスル「いい一撃だ!だが……踏み込みが甘いィィ!」


枯尾「――あと少し、ですか」

彩音「……じゃあ足りない一歩は、私が補う」


▶彩音 時の刃

 12ダメージ


彩音「刻め、その身に……私のこのもやもやも一緒に!」


マッスル「やはり心の強さには筋肉では勝てんな……。誰か……屋敷を……頼む……」


▶そう呟くと、白く掻き消えるように消えていきました


このは 「ふぅ……。屋敷?何の話でしょう」

枯尾「――割烹着もボロボロですね」

結「とりあえず倒せたねー、報酬貰いに行かないとー」

彩音(早く帰りたい眠い早く帰りたい眠い眠い眠い)


――朱鷺森市 美術館併設喫茶店:紅葉 PM18:00――


もみじ「ということでお疲れちゃーん★いいものが撮れたわ~」


棗「ん、お疲れさん。思ったより苦戦したみたいだな」

枯尾「すみません、割烹着がボロボロになってしまいました……」


もみじ「いいのいいの★このカメラをお得意様の萩野くんとかに売り払って吊り上げれるしね★」


棗「――名前は出してやるな。せめてもの慈悲すらないのか」

このは「ほへ、こんなものが売れるんですかぁ?」

結「萩野くん……」

枯尾「……よくわからないモノが売れるんですね」

彩音「着替え……。早く着替える……ねむ……」


もみじ「おっと真面目な話。あそこは元々榎屋えのきやさんって言って、通称四季華族しきかぞくっていう豪族の名家だったの。今は没落して見る影もない廃墟なんだけどね」


結 「じゃあ出演料で少し報酬増やしてもらえたりできないですかー?」


もみじ「うーん円はともかく、ベルは素材の物流が日本と違うから難しいわね……。ベルだってお屋敷の物を売って工面しようと思ってるし……ごめんね。円の方ならサービスするわ!」


結「うーん残念、けど報酬貰えてプラスになるから……あれ?ちょっと減ってる?」

枯尾「――撮影するならポーズを取ったほうがいいのでしょうか?」


もみじ「とにかく、あのお屋敷は私が貰い受けることになったから。棗くん!お掃除しない……?」


棗「俺の報酬にも色を付けてくれるなら考えてやるさ」


もみじ「円ならいいわよ~。取り敢えず封筒に入れて配るから並んで並んで~」


棗「よし、成立だな」

結「はーい」

彩音「zzz……zzz……」


もみじ「取り敢えず寝てるから肩紐を解いて……、よし。6割増し確実ね」


枯尾「今日は大変でしたが皆さんと一緒で楽しかったです。――次は何処に行きましょうか……。楽しみですね……ふふふふ」

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