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いつもなんだか暗い話ばかりなので、たまには明るい話を書ければ、と思うんですがなかなか・・・。頑張ります。


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久しぶりの故郷だ。

両親の反対を押し切って上京してから、もう10年になる。ろくに実家には帰っていなかった。

「次は〇〇〜〇〇〜、終点です。」

ずっと聞いていると、眠たくなってきそうな車内アナウンスが響く。

こっちの気候は、東京と比べて湿気が少なく気温が低いので、とても過ごしやすい。

実家への道程で、少しの不安が胸によぎる。

なんせ、親の顔を見るのも10年ぶりなのだ。

電話口では歓迎してくれている風だったが、本心では、俺の帰郷をどう思っているのか知れたものではない。

しかし、こうして物懐かしい道を歩いていると、昔の自分に還ってきたようで、新鮮みと、多分の郷愁を感じる。

あの日、日暮れにバカ騒ぎしながら一緒に歩いた友人達は、いまは何をしているかも分からない。

今、この道を歩いているのは自分ひとりだ。

名前も知らない虫の音が、やけに素直に耳に入ってくる。

乾いた冷たい風が全身を滑り、吹き抜ける。

「ただいま。」

不意に、言葉が口からこぼれ落ちた。

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