誤字その他の報告いきますね。
もう直ぐ娘が生れる
→もう直ぐ娘が生まれる
あんな惨《むご》い目に合わせておいて
→あんな惨《むご》い目に遭わせておいて
娘が生れるそうだな
→娘が生まれるそうだな
何で生れてくる子の性別が女だと知っているんだ
→何で生まれてくる子の性別が女だと知っているんだ
そんな目にお前の娘があった時
→そんな目にお前の娘が遭った時
「そんな犯人を、お前ならどうする」?」
→「そんな犯人を、お前ならどうする?」
さて、この先は誤字ではない部分を。
その日は直美を実家に行かせ、俺は勇気を振り絞り唯一持っているブラックスーツに身を包み、福丸の家へと訪ねて行った。
出だしを独立させたほうが、ここはスッキリすると感じました。
→その日は直美を実家に行かせた。俺は勇気を振り絞り、唯一持っているブラックスーツに身を包んで福丸の家へと訪ねて行った。
玄関の上がり框《がまち》の下の隅には、男物のサンダルと女物のサンダルが一組づつキレイに並べられていて、胸の高さの下駄箱の上には、普通の家にありがちな置物や絵の類《たぐい》など何も置かれていなかった。正面に階段があり、階段の手前右奥に廊下が続いていた。
これも一文でまとめるには少々ゴタッとしている印象がありますので
→玄関の上がり框《がまち》の下の隅には、男物と女物のサンダルが一組づつキレイに並べられている。胸の高さの下駄箱の上には、普通の家にありがちな置物や絵の類《たぐい》のものは何も置かれていなかった。正面には階段があり、階段の手前右奥に廊下が続いていた。
福丸の妻はダイニングにいて、二人用のダイニングテーブルセットの椅子に座り、テーブルの上の湯呑みを両手で包み込むようにしていて、視線はその湯飲みに向けていて、俺の方には目もくれようとしなかった。
ここは少々長いので
→福丸の妻はダイニングにいた。二人用のダイニングテーブルセットの椅子に座り、テーブルの上の湯呑みを両手で包み込むようにしている。視線はその湯飲みに向けていて、俺の方には目もくれようとしなかった。
「言い訳じゃありません。ホントのです。それは裁判でも認定されました」
ここは「ホントのです」が気になりましたが、焦っている感じが出ていてとても効果的だと思いました。
警察に捕まった当初は罪を犯した事ではなく、犯罪がバレた事を悔くやんだのだが、何日も取り調べを受け、そして裁判が始まり罪と向き合わさせられると、反省の気持ちが芽生え、少年刑務所では罪を受け止め生まれ変わる事を自分に誓ったのだ。
ここも前半と後半で二文に分けたほうが、読み手にスッと入っていくと思います。
→警察に捕まった当初は罪を犯した事ではなく、犯罪がバレた事を悔くやんだ。だが何日も取り調べを受け、そして裁判が始まり罪と向き合わせられると、反省の気持ちが芽生え、少年刑務所では罪を受け止め生まれ変わる事を自分に誓ったのだ。
それと、これは余談ですが、文章における漢字とかなの比率は3:7が黄金比。読みやすいと言われています。
私もうっかり漢字を多用して画面を黒くしがちなのですが、実際いろいろな文章を拝読していて「これは読みやすくて内容がスッと入ってくるな」と思うものは、その黄金比に近いのですよね。
この割合を頭のどこかに置いておくと、この先役立つかもしれません。
「お前には簡単に死なれて貰っては困る」の台詞が重いですね。痛いほど伝わってきます。
作者からの返信
ご指摘ありがとうございます。
黄金比、知りませんでした。
又一つ知識を授けて下さり、ありがとうございます。
しかしそれにしても、読む直しながら訂正していく作業の労力たるや、つくづく実感させて頂いています。
それを思うと、校閲作業のしんどさや……。
誠に頭が下がります。
編集済
さすが…教壇に立っていた先生ですね。
素晴らしく考え抜かれた答えでした。
それを考えた秋川十一さん…この文章力と夢中で読ませる力は並大抵のものでは無いですよね。そこから推察するにすでに書籍化されている作家先生ではないのですか?!
作者からの返信
読み続けて頂きありがとうございました。
そしてお褒めお言葉痛み入ります。
作家先生などと、とんでもありません。当方、コンクールの一次も通過した事がありません。
コメント嬉しく読まさせて頂いています。これからも何かありましたら忌憚のないお言葉をお聞かせ下さい。