85話:事後処理
あれから30分が経過し、VIPルームで俺とリリィ先輩、ルナ先輩、レフィア先輩で集まっていた。
「それで……どうしてあなた達はそんな事しているわけかしら?」
「ふふっ、それはね。私達が夫婦になったからでーす!」
「いや、早すぎませんっ!?」
「えぇ……?」
デート通り越してゴールインっていう展開に思わずガタッとその場で軽くずっこけてしまった。その動きに合わせてリリィ先輩が絡めている腕の力を強くする。俺にベッタリだ。てか締め付けてくる度に胸を押し当ててくるのは恥ずかしくてたまらない。
「あーん素敵なカップルの誕生ねー! おめでとう二人とも。そしてお幸せにねー!」
「おっ、おっす。まだデートとかしてないからあれですけど。あざっす」
ルナ先輩からの祝福に答えて俺は軽い感じでありがとうを伝えた。
とりあえずこの店は俺達の支配下にある状態だ。俺がジェスタとの戦闘が始まった際に、いち早くレフィア先輩が銃声に気がつき、そしてその合図と共に店の制圧作戦が執り行なわれていたようだ。負傷者はなく死人はまぁ、相手の武装した荒くれ共くらだろう。ものの数分で片がついたらしいから、本当に頼れる先輩達ばかりだ。
「大体の説明はあなた達から聞いたから理解したわ。まぁ、興味ないけど。とりあえず喧嘩するほどの仲にはなれるといいわね」
「よく分かりませんが仲良くできるようには頑張ってみます」
「うふふ、こんどのデートが楽しみー。なんだったらここでもうデートしちゃおうよカリト君!」
「ダメよリリィ。いまは仕事が優先よ。私達のやるべき事はまだ終わってないわ。プッタネスカの暗殺が完了するまでは我慢しなさい」
「えーっ、なんでレフィアに言われないといけないのー」
「……あぁ?」
いやめっちゃ怒ってらっしゃる。俺は思わず仲裁に入った。
「とととりあえず!? プッタネスカの居場所を突き止めないといけないですよ。ジェスタはあんな感じになってますし……」
「そうね……。見事に精神崩壊しているわね。やり過ぎよリリィ。あれだともう尋問して情報を聞き出せそうにないわね」
「と思って。事前に情報はここにあるわ」
「いやなんっていう所から取り出すんですかっ!?」
何の恥じらいもなくリリィ先輩が自分の胸から封書を取出し事に対し、俺は目をそらしながら慌てふためいた。
「だってーかっぱらった物をしまうのに困ってたから仕方が無いよー」
「だ、だからって……」
「真面目な話。二人でいちゃつかれるとイライラするからさっさと本題に移って頂戴……」
「す、すみません……」
「はーい」
そういえばロッソ先輩はどうしたんだろう……?
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