50話:指名依頼クエスト『沼地の主・泥岩竜 マドロックドラゴンを狩猟せよ』その3
「あれがマドロックドラゴンか……」
エリア5に到着し、さっそく狩猟ターゲットのモンスターを見つけることができた。
「うん、今はこちらに気づいていないな。どうやら身体を干して日光浴をしながら昼寝といったところなのだろう」
モンスターが朝から昼寝をしているとうらやましくなるのは可笑しいのかな? 見てて良いなと思えてくるぜ。
「横からみると地上に打ち上げられて横たわっている大きな船にみえますね。鼻の先にあるツノが無ければの話なのですが」
「泥の中をスムーズに前進するのと身動きがとれるように太古の昔から進化の過程で会得したのだろうね。詳しく知りたいなら学者ギルドにある図書館にでもいくといい」
「学者は嫌いだけど。そういう知識は好きなので今度行ってみます」
「じゃあ、今から君にしてもらう仕事を大まかに説明するね」
「よろしくお願いします」
「うむ。では、カリトくんが戦闘中にやってもらいたいのは主に私の後方支援がメインになるかな。今回私が持ち込んだ武器は事前にしっていると思うが。肩に掛けてるコイツが今回の得物だ」
そう言いながらミステルさんが右肩にスリングで駆けている銃を見せてくる。彼女が持っているのはミドルクラスの前半で手にする事が出来る工房製アサルトライフル『ライトブラック』だ。小口径の弾を使って連発する中距離までが専門の銃で、昔の米軍が使用していたM16自動小銃銃と似たような形をしている。あっちの世界では黒の部分がプラスチック製らしいが、こっちの世界ではモンスターの骨格を使って形状を象っている。
「マスタークラスの武器を持ち込むとギルドからいろいろと言われるからね。今回はこれで我慢してくれ」
ミステルさん曰く。パーティーで組み時には必ずバランス調整が設けられる事になっているらしく。今回のようにマドロックドラゴンの難易度は俺みたいなルーキーランクのハンターが倒せるレベルなので、それ以上の武器を使用するとなるとミドルクラスが限度と定められているらしい。もちろんモンスターの難易度しだいでは上にスライドして制限がかけられるらしい。
「私はいつもヘビーマシンガンを使うのが好きだ。で、その次に好きな武器がこいつなのよね」
「ミステルさんが前に立ってくださるのは自分にとって心強いです。頑張って後ろから自分の銃で援護させていただきます」
「うんそうしてくれ。じゃあ、私はあいつを起こしに行くから君はどこか身バレしない所に潜伏するなりして狙撃の態勢をとってくれ」
「了解です!」
「よし、状況開始!」
俺はマドロックドラゴンに向かって前進していくミステルさんとこの場で別れ、適度によさそうな場所で狙撃の準備を始めることにした。
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