chapter4 旅立ち
夜が明け、俺達は宿を後にし、街を出ようとした。
その時、街のおばさんが
「あんたら、もう行くのかい?もう少し留まってもいいのよ」
と訪ねて来たから、俺は
「いいえ、帝国の連中は俺達を狙っているので次この街がいつまた来るか分からないので」
と答えると、
「そうかい、それならもう一つのお礼として言っちゃなんだけど、これを持ってってちょうだい」
と言うと、大量に食料が入ったリュックサックを渡してきた。
これで当分食料には困らなさそうだ。
「ありがとうございます」
と俺達は一礼をしながら言った。
「いいよいいよ、またいつでもこのハンゴンの街に来なよ。いつでも歓迎するよ!!」
と元気よく言ってくれた。
俺達は手を振りながら、ハンゴンの街を後にした。
そして、歩いている内にいつの間にか夜になった。
俺は木の枝を集めそれを円状に積み重ね、指先から火を放った。
すると、マーレは俺が背負っていた食料が入ったリュックから食料を出し、元々持っていた簡易的な調理器具を取り出した。
「私、食事用意してるからレイジさんは少し歩いて来たら?」
と言われたので
「あのさルーシェ、俺の事別にさん付けしなくてもいいんだぜ」
と答えたら
「そう、分かったわレイジ」
と微笑みながらそう返した。
俺は、少し辺り一面を周りながら、ルーシェの元へ戻ると、料理が完成していて
「はいレイジ、出来たわよ」
って言って、スープを渡してきた。
「ありがとう、いただきます」
と言い、スープをすくったスプーンの先を口に入れた瞬間
「くぁwせdrftgyふじこlp」
と言葉にならない叫びと共に口から火を吹きながら意識を失った。
そして、数分たった後。
俺は意識を取り戻し、ルーシェに
「お前・・・一体それに何を入れた?」
と若干苛立った声で問い詰め
「えっ?普通のスープに大量のハバネロと唐辛子等の香辛料を入れただけなんだけど・・・」
とルーシェが答えた瞬間、俺は抑えてた怒りを爆発し
「そりゃあ、辛いにも限度があるわ!!俺を殺す気か!!ふざけんじゃねぇよこのアマ!!今度から大量に辛いもの入れるの禁止な!!」
とブチ切れてしまった。
すると、ルーシェは
「ごめんなさい・・・てっきり、辛いもの大丈夫かなと思い込んでたから・・・」
と今にも泣きだしそうな声でかなり落ち込んだ。
それを見た俺は
「俺の方もごめん、流石に言い過ぎたわ」
と優しく返した。
その後、俺はすぐにルーシェにおやすみと伝え、布が敷いてある地面に横になった。
そして、その日もまた夢を見た。
今度は知らない部屋のベッドの上に座って、誰かと話していた。
何故か不思議と、どこかで会ったことがあったような感じだった。
そして、誰かが来た所で夜が明け・・・俺は目を覚ました。
すると、かなりいい匂いが鼻に入ってきた。
起きると、ルーシェが朝食を作ってた。
「おはよう、今回はいい夢だったみたいね。さっきまで笑顔に寝ていたのよ」
と彼女は俺に話しかけた。
「そ、そうか」
と俺は若干恥ずかしそうに照れながらそう言った。
とりあえず、俺は彼女が作ったスープを恐る恐る口に持っていった。
すると、なんと!!
昨日とは違いかなり上品な味で、少し辛みもあるが最早絶品で美味い!!
俺は3杯ぐらいおかわりして平らげた。
ちなみに、昨日のスープはあの後、ルーシェが全部平らげたらしく、実は彼女はかなりの辛党だったと言う意外な一面を聞いてしまった。
にしてもあれは多分、悪魔でも泣き出しそうなレベルの辛さだぞ・・・
まぁ、その辺は置いといて食事を摂った俺達は、荷造りをし、その場を後にした。
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