chapter3 戦い
俺達はカフェを出て、宿へ向かう最中に何か広場の方が騒がしかったので、俺達は急いで広場へ向かった。
すると、そこにはガラの悪い兵士とその部下達が広場に集まっている街の人を弾圧しリンチしていた。
広場には
「助けてくれ!!」
と叫ぶ中年男性や、泣きじゃくる子供、それを庇う母親等の悲鳴が響いていた。
それに向かって、ガラの悪い兵士は
「うるせぇ!!この街に貴族みたいな格好をしたアマとその連れのガキが居ることぐらいこの俺、
と奇声を上げながら暴行を繰り返しそうだったから俺は
「やめろ!!お前らの狙いは俺達だろ!!」
と怒鳴りディアーズを睨みつけた。
すると、奴はアヒャヒャヒャヒャ!!と笑いながら
「探す手間が省けたよ・・・おめぇらやれ!!」 と部下の兵士達に指示を出し、俺達に襲いかかった。
元々、ルーシェは能力を使わずとも普通に戦える武術を身に付けていたのと、何故か俺自身も身に覚えが無いのに、拳と蹴りだけで普通に戦えてた。
部下を倒した後、俺達は街の人達を逃がし、再び戦闘態勢に構えたその瞬間に、
すると、ルーシェは
「気を付けて!奴は恐らく能力者よ」
と声を少し荒げ、そう俺に伝えるとディアーズは
「ピンポンピンポーン!!大正解ィ、俺はテメェらたちを襲った魔物、すなわち影の
と言いながら、自身に自分の影を
「見ろ!!これが俺の能力、影から生まれし
と叫びながら建物などの影から、数十体の獣人が現れ始めた。
流石に、覚醒し始めた俺では手に負えないだろうと少し動揺したが、ルーシェから
「大丈夫、自信を持って」
と言われ、気合を入れ俺は
「天国の
と叫びながら炎を出したその瞬間、手に燃え盛っている炎がルーシェの
実際、無意識にこういう風に変化出来たらいいなと頭に描いただけなのに、大剣に変わったのに驚いたが、こういう使い方もあるのがと自身の
「ヒヒヒ・・・今のは単なる小手調べだ、こっから本気を出すぜ簡単にくたばんなよォ!!」
と叫びながら、奴は獣の鋭い爪を持った腕を振りかざしながら、俺を襲い俺はそれを炎の剣で受け止めた。
その瞬間に、ルーシェが奴の隙を見つけ背後から
剣を振りかざしたが、それをディアーズが左手で
その隙を見て、俺は一瞬にして奴の右腕を切断した。
「うわぁぁぁ俺様の右腕がァァァ!!」
奴は絶叫した。
その隙に俺は奴の両足も両断し、奴は倒れた。
奴は、あまりの痛さに鼻水を涙を出しながら泣きじゃくって俺に
「す、すまねぇ!!俺らが悪かったぁー!!許してくれぇー!!」
と俺に悲願して来たが、俺は
「てめぇはさっきみたいに街の人に同じことしてたけど、おめぇみたいなゲスに俺が助けるお人好しだと思うか?」
と怒りをあらわにし、そのまま大剣状にしていた炎を解除し、そのままその炎をディアーズに放ち
「これはお前が犯した罪の代償だ」
と言い、火だるまになりながら絶叫しもがき苦しむ奴の姿を確認した後、投げ飛ばされたルーシェの所へ駆け寄り
「大丈夫か?」
と声をかけ手をさし伸ばし、彼女はその手を掴みながら
「うん、平気よ」
って答え立ち上がった。
そして、ディアーズの部下達は奴の焼死体と俺達を見た後ビビりながら、全力で走って逃げて行った。
その後、俺達は駆け寄ってきた街の人に感謝され、お礼として食事を奢ってもらい、その後宿へと戻った。
そしてみんなが寝静まったその日の夜、俺は夢を見た。
周りが真っ白い空間の中で、俺はただひたすらに歩いていて、そして周りから誰だか分からないが大勢で集まって泣きじゃくってる声と、何処から鳴っている機械の高いピー音、泣き叫びながら自分の名前を呼ぶ老夫婦の声が聴こえた。
そして、最後には「ありがとう」との声も。
俺は一体誰なのか、そして大勢の泣きじゃくってる声が一体何なのか、何もかもまだ思い出せず、疑問が残ったまま俺は目を覚ました。
外はまだ暗い。
横を見ると、隣のベッドに横たわっているルーシェが体を起こし、こっちを心配そうに見つめ、
「大丈夫?かなりうなされていたみたいだけど」
と聞いてきたから
「大丈夫だ、少し嫌な夢を見ただけだから。心配かけてすまんな」
と答えると
「ううん、それならいいんだけど」
と言いそのまま彼女はまた寝始めた。
俺もまた、ベッドに横になり仰向けになりながら天井に向かって右手をかざし
「俺は昔、一体何があったんだ?」
と呟きながら再び目を閉じ眠りへとついた。
場所が変わり、とある城の一室。
「隊長!!ディアーズ様があの女の連れの男にやられました!!」
大柄の隊長に、ディアーズが連れていた部下達が駆け寄ってきた。
「何?ディアーズがやられただと?」
大柄の隊長は少し驚いた表情で言った。
「あの二人は危険です!!我々が想像していたよりも強い!!」
そう叫びながら、部下の一人は疲れた表情でそう答えた。
「分かった、もうお前達は戻って休め」
そう大柄の隊長が言うと、部下の兵士達は部屋を後にした。
「そうか、もしかしたらこの俺、
そう呟くとベルモスは
「久々に楽しめそうだ」
と、イカつい笑みを浮かべながらまた呟き、机の上に置いてあるウィスキーが入ってるグラスを手に取りそれを口に持っていった。
月が綺麗に輝いている夜の事だった。
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