chapter2 天国の炎

改めて、俺の名前はレイジ。

とある名も知らない森の奥にある湖の湖畔で倒れていたとこを、ルーシェと言う女性に助けられ、一息ついていたとこに、魔物が襲い始め、一時はルーシェに助けられていたんだが、流石に数が多すぎて、絶体絶命の中、俺に力が宿り一瞬で奴らを焼き払い、その場を後にし、ようやく森を抜け小さい街に辿り着いたとこだが・・・

パジャマ姿に便所サンダルと言う俺の格好があまりにも浮きすぎてる・・・

これじゃあ、世間的には飼い主と下僕という何ていうSMプレイなんだよ・・・てか、何で関心な記憶がない分、こう言う事は分かるんだよ?

俺はどこの人間だ?

「あのさぁ、ルーシェ」

「どうしたの?」

「この世界の事を聞く前に、服を着替えたいんだけどいいかな・・・流石にこの格好で移動するのは恥ずかしい・・・」

「確かに、さっきから私達何故か注目の的になってしまってるものね・・・」

ルーシェが辺りを見渡すと、周りの視線が冷たい目で見られてるのに気づき、俺達は少し小走りで宿屋に向かった。

そして、宿屋の部屋へ着くとルーシェは俺に

「レイジさん、ちょっとこの部屋で待っててもらえるかしら?あなたの洋服を用意してくるわ」

と言い、俺は

「あぁ、分かった。ここで待ってるわ」

って返して、ルーシェの帰りを待つ事になった。

てか、俺はあの子の子供かよ・・・

そう心の中でセルフツッコミを入れるのだった。


そして、45分後。


ルーシェが俺の服を買ってきて戻ってきた。

「お待たせ、サイズ合うかどうか分からないけどとりあえず着てみて、私近くのカフェで待ってるから」

そう言うと、彼女は俺の着替えを置いて部屋を出ていった。

にしても、ルーシェは何故あの時食料は少なかったのに、お金だけはたくさん持っているのかが気になるとこだけど。

とりあえず、着替える為に俺は服を見たが、一瞬で少し着ようか躊躇いはしたが、我慢して着替え、部屋を後にした。

そして、周りの視線を気にしながらルーシェが待っていると言う近くのカフェへ向かった。


あっという間に、近くのカフェに着き、カランカランっとなるベルが付いてる入口の扉を開けると、

「・・・いらっしゃい」

と無口そうな店主が迎え入れてくれた。

と、そこに

「あ、ようやく来た」

と言いながら、自分はここの席に座ってるというアピールで少し手を挙げているルーシェが居た。

だが、やっぱり明るく見せてる様に見えて、何処か寂しそうな笑顔だった。

「すまん、待たせたか?」

と俺が問いかけると、彼女は

「ううん、そんなに待ってなかったよ」

と微笑みながら返し、俺はルーシェの座っている席の対面の椅子に腰掛けた。

「その服、結構似合ってるじゃない」

と彼女は俺に言ったが、俺は内心

こういう服高そうでこの街の人より目立ちそうだなぁ・・・と思った。

実際、黒のズボンにベスト、赤のワイシャツ、そして俺の膝丈にまで届くロングコートに黒の革靴だからいかにも貴族って感じなのが記憶が失っている俺ですら分かる。

ただ、ルーシェを傷つける訳もいかなく俺は

「そ・・・そうか」

と満更でもない表情で答えるしかなかった。

その後、彼女が俺に

「なにか飲む?」

と聞いてきたから俺はとりあえずミルクココアを頼んだ。

その後、ルーシェが能力の事を俺に教えてくれて、彼女が使ってた茨の剣と植物で出来た銃は彼女自身の能力らしい。

名前は、植物銃プラントガン植物剣プラントブレイドと言うらしい。

てか、まんまだな・・・

そして、ルーシェは俺に

「あなたの能力はなんて名前なの?」

って聞かれた為

俺はとっさに

天国ヘブン・・・天国のヘブンズフレイム

と、ぼそっと答えた。

すると彼女は

「天国のヘブンズフレイムね・・・いい名前じゃない」

と答え、更にこの世界について語り始めた。

どうやら、この世界は二つの大陸に分かれているらしく、元々は各国に別れていたが数年前に皇帝が変わったばかりの帝国が一つの大陸を治める大国家に勢力を上げたらしく、ルーシェの住んでいた街も帝国に滅ぼされたらしい。

彼女が何処か悲しそうな表情をしているのが少しわかった気がする。

とりあえず、今俺達がいる所は帝国が統治している大陸とは別の大陸にある片隅のハンゴンと言う田舎街らしい。

色々と話しているうちに、夕方になりルーシェがお代を払った後に俺達はカフェを後にし、そのまま宿へ向かった。

歩いている最中にルーシェは俺に

「あなたの記憶が本当に戻るといいわね」

と俺に言ったから俺は

「ありがとな・・・」

と返事をした。

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