第24話 退院!(手術後8日目)

2019年7月6日。退院する日だ。


この朝も5時過ぎには起きて、応接の椅子に座って窓から森を眺めた。私が入院している間はずっと天気が悪かった。森の中に見える乗馬クラブで雨の中、馬を走らせる姿をよく見てたなー。


6時のバイタルチェックの時に、退院してからのことや、必要な薬の確認などがあった。

高熱、多量の出血、嘔吐などがあったときはすぐに連絡するように。土日は婦人科の先生がいない可能性もあるので平日に連絡してください、とのことだった。「土日に急変したら、どうするの?」と思ったが大丈夫そうだし、もしそうなったら構わず電話しようと思った。

そして、特に必要な薬、希望する薬は無し。(後で後悔することになるのだが)


この日は9時過ぎに主治医の先生の診察。その後、退院になるという。本当は前の日に診察のはずだったが、主治医の先生が学会で不在のため、診察が退院当日になった。お金の支払いは後日請求が届くとのことだった。


そして最後の食事。土曜日の朝食なのでパンだ。この病院の食事は、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出せるようになっている。パンは食パンだったが温かいほうに載っていたので、フワフワだった。他に卵料理やハム、スープなど。


優雅にコーヒーでも飲もうかな、と一杯ずつ淹れられるカセットコーヒーとカップを持ってコミュニティルームの給湯コーナーに行った。


給湯コーナーには冷蔵庫や電子レンジ、トースターがあるのだが、何人かが、出されたパンをトーストしていた。中にはチーズやハム、マヨネーズを用意していて、グレードアップしたトーストにしている人もいた。パジャマで朝ごはん作ってる感じ。勝手知ったるといった様子だった。


私もそうすれば良かった、と思ったが、ここでトーストするチャンスがもう来ないことを願う。


主治医の診察は9時過ぎと言われていたが、「過ぎ」という言い方が気になった通り、なかなか呼びに来ない。

看護師さんが、診察が終わったらすぐに帰れるように、忘れ物チェックをしてくれた。それから次回の外来診察がもう決まっていて7月16日だということも教えてもらった。


まだ、呼びに来ない。特に用事はないのでいいのだが、あまりに遅いので、また「何か良からぬことが、わかったのでは?」と恐れる。私だけが患者ではないのだから、考えすぎ。

結局、呼ばれて診察室に行ったのは10時半ごろ。

先生はとても忙しいらしく、内診台のカーテン越しに、「おはようございます」と現れ(シルエットだけ)、顔を合わせることなく、傷口も内診も特に問題ないということで、「詳しくは7月16日の診察の時にね」という感じで終わった。


夫が来てくれていたので、荷物を車に運んでもらい、いざ退院。

土曜日だから外来がお休みで昼間なのに1階は閑散としてた。


家に向かう車から見る風景は普通で日常。なんか不思議な感じがした。

家に入ると愛犬のカールが大歓迎してくれた。


実母、義母に退院報告の電話をしたり、友達からのLINEに返事をしたりして、時間を過ごした。


我が家のお祝い飯は、しゃぶしゃぶ。

カールにも実家でお利口にしていたご褒美に脂身の少ないお肉をあげて、お祝いした。


久しぶりに自宅のベッドで眠れる。脚のところに毛布をたたんで置いて、少し高くして寝た。

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