第22話 入院9日目(手術後6日目)
前の晩は睡眠剤を飲んで寝た。確かに、あまり夜中に目が覚めることはなく眠れた。
病院での1日のスケジュールは
朝6時のバイタルチェックから始まる。血圧、脈拍、体温、指先で酸素量、あとは傷の状態の確認。
手術後HCUから病室に戻ってからは1日4回あったが、この日から回数が減った。37度台だった体温も36度台の平熱に落ち着くことが多くなった。血圧も落ち着いている。
この時点で気になる症状は…
ベッドから起きて立ち上がった時のお腹の痛み。それから太ももの付け根の違和感だった。
特に右の鼠径部、いわゆるビキニラインが浮腫んで感覚が鈍いのだ。それが、なんとも気持ち悪い。
それを看護師さんに聞いてみると、浮腫みは今より減ってくるとは思うが、この状態になれるしかないという。
手術前に、手術後は太ももなど浮腫が出るが、それは消えていき、鼠径部などは最後まで残るというような説明を受けていた。
あー、そういうことか…
消えるのが最後になるのだと思っていたが、ずっと残るということ…
リンパ浮腫についての知識はある程度あったので、そのリスクを抱えて生きていくことは理解していた。でも予防するどころか最初から多少は当たり前のようにあるんだ、ということを知った。
主治医の先生にも聞いたら、やはり同じ答えだった。ドレナージュとか受けたら良くなるか聞いてみたら、良くなるというような事を仰っていた。
まあ、これについては後で考えることにする。
この頃から、横向き寝が問題なく出来るようになった。
あと、仰向けの時もベッドをフラットに近い状態で寝られるようになった。脚部分だけ高くするけど。
それまでは、リクライニングチェアのようにしないと、お腹がひきつるようで痛かったのだ。
フラットな状態で眠れないと家に帰ってから困るもんね。
そんな感じで、ベッドをフラットにして寝ながら本を読んでいたら夕方、友達がお見舞いに来てくれた。長い付き合いの親友で、ここはハグで迎えたかったが、ベッドから起き上がるのに手こずり、タイミングを逸した。
私が痛々しい状態だったらどうしようと、恐る恐る病室に来たようだが、元気で安心したようだ。
そして、自慢の1階のカフェに行った。なんだか、病院にいることを忘れる空間だ。彼女は今、家のことも忙しく、この日は仕事を早退し来てくれた。ありがたい!恩返ししなくては。
そして、この日の夜で、血栓予防の痛ーい注射は終わり。退院が近づいてきた。
また睡眠剤を飲んで寝た。
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