第20話 入院7日目(手術後4日目)
アラームをかけなくても5時過ぎには目が覚めてた。毎日そうだった。何しろ消灯が21時だし。
そしてベッドから起き上がり立つとお腹にズーンとした痛みが来る。数秒間耐えれば落ち着くのだが、ウーっと目を閉じ顔をしかめる位の痛みだった。(これは手術してから退院後も2週間くらいは、あった)
それでも体は楽になってきてて、ベッドではなく椅子に座って過ごす時間も多くなった。
シャワーOKになるまでは看護師さんが体を拭いてくれるのだが、朝、靴下をはく前に体拭きシートを使って足を自分で拭いてみたら意外と楽に出来る。
そこで、良からぬことを企んだ。
頭も洗えるのではないか?
2日前、看護師さんに洗っていただいたのに贅沢を言って申し訳ないが、自分でもっとスッキリ洗いたい!と思い、シャワー室で前屈みになってシミュレーションしてみると、いけそうだ。
パジャマは着たまま前屈みになり、お腹から出てる管からのタンクはポシェットに入れて背中に乗せ、シャンプーした。水圧が強めのシャワーだったので、手早く洗えた。そしてドライヤーで乾かし、スッキリ〰️!
そして暫くしたら、なんと看護師さんが「シャンプーしましょうか?」と来てくれたのだ。
どうしよう。でも、必要ない仕事に時間を取らせてはいけない、と思い、「実は、さっき自分で洗っちゃったんです」と正直に言った。どうやって?と驚かれたが、笑顔だったので良かったー。
専門学校の先生からLINEがあり、この日お見舞いに来てくださるとのこと。入院前にLINE交換してあったのだ。私より少し年上の人情派の女性だ。
夕方、その先生が病室に入ってくると、思わずハグをして迎えた。私は普段そのようなことをするタイプではない。病気、手術、入院というのは人を変えるもんだ。
「元気そうで良かった!いつもと全然変わらない!髪もキレイになってるし…」なんて言っていただき、朝の一件をお話した。
そういえば、中間テストが終わってすぐに入院したのでテストが返ってきてない。この先生はテストのあった教科には関係してないのだけど、結果を知っていてどうやら点数は良かったらしい。「病気なんだから、そんなに勉強しなくていいんだよ」なんて言ってくれた。
この先生は美容鍼灸の達人でもあるが経絡治療を専門とされていて体全体を善くしていく。私が理想とする治療法だ。
早く学校に復帰して、いろいろ教えてもらいたいと思う。
夫が来たので、先生を駅まで送ってもらうことにした。ロータリーまで見送るために病院のエントランスから外へ。入院後、初めて外に出た。自然がいっぱいなので、夕方の湿った緑の匂い。
「外の匂いだー」と思いっきり吸い込んだ
そして夕食は完食。
ご飯は既に普通のご飯になっていたので食べやすかった。
前の日から血栓予防の痛ーい注射が始まった。朝と晩。他のかたのブログで知っていたが、これかーと納得する、打った後にビリビリくる痛みだった。
そして21時の消灯時間。お腹は痛くないが、ずっと仰向けで寝ているので腰が痛くなり、鎮痛剤を貰おうとしたが、「横向きで寝てみてください」と看護師さんに言われる。試してみたけど、横向きになると、傷口の状態が変わるのか痛み、全然リラックス出来ない。
結局、鎮痛剤を貰うことになった。
夜中に咳が出そうで目が覚めた。風邪ではなくて、ちょっと喉がイガイガしただけ。咳はお腹に響いて痛い!水を飲もうと起き上がるにも、腹筋が使えずリクライニングでゆっくり、ウィ~~ンと起きるしかない。昼間くしゃみが出そうになった時は、鼻をつまんでなんとか止めた。花粉症の時期でなくて良かったー。
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