第12話 中間テスト、そして入院

私は49歳の専門学校生。

6月19日から3日間は前期の中間テストだった。癌であることがわかった4月は、もう勉強なんて出来る心理状態ではない!と思ってたけど、いざテスト勉強にとりかかると、病気からの現実逃避なのか、意外と勉強に集中できた。

幸い勉強しているのが体のことなので、むしろ以前より興味が湧いた感じもする。


そして、テストの1日目が終わって帰宅した時に、病院から入院と手術日が決まったとの電話が入った。入院は、ちょうど1週間後の6月26日水曜日、そして手術が6月28日だという。結構、直前の連絡なんだ。


中間テストは無事終わり、追試にもならなそう。

土日で入院準備をした。これも少し旅行気分だった。手術のことを考えると怖くてたまらなかったけど。


学校は入院前日の火曜日からお休みすることにして、実家の母に会いに行こうと思ってた。

しかし、生理になり体がダルく出血量も増えてきたので行くのは止めることにした。

実家は車や電車で1時間ちょっとといった距離だが、母が逆に来てくれた。母が家に来るのは滅多にないことなので、やはり特別なことなんだなーと思った。


癌が判明してからも母には、なかなか言えなかったが、5月の下旬になって話した。母は冷静だったが、さすがに顔色が変わった。今や癌は治る病気と言われるが、その言葉の破壊力は凄い。私は、時折泣きそうになるのを堪えて、手術すれば治ること、病院がとてもキレイなことなど、涙が出る隙もないように明るく矢継ぎ早に話した。


この入院前日の時も、泣いてしまうかも、不安に感じているところを見せたくない、と思っていたが、母も忙しい中来てくれたらしく、慌ただしく帰っていったので、そんな雰囲気にはならなかった。手術当日も病院に来てくれるという。やはり、それほどのことなんだ。


それから、この日は友達が激励の電話をくれたり、学校の友達が家に寄ってくれたり、忙しく過ぎた。


あと、夫のためにハンバーグとか、きんぴらなど少し作りおきをしておいた。






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