第4話 がんだったんだ…

細胞診の結果、子宮体癌陽性であったことが告げられた。


それから「結果が全体的に悪いんですよね」と、追い討ちをかけるように言われた。

「特に貧血がひどい。正常値の半分くらいしかない。輸血する?」と。

がんで貧血…輸血?!

ってかなりマズイのでは? とその時は思ったけど、冷静になってみたら、あれだけ過多月経だったのだから当然でもある。


その他、腫瘍マーカーは少し高いくらいだという。全体的に悪いって他に何が悪かったのか、思考がフリーズし聞くこともしなかった。


不正出血、過多月経、月経が長引く、月経不順(私の場合は頻発月経だった)、オリモノが多い…


勝手に閉経前の症状と思っていたものが、すべて子宮体癌の症状に当てはまる。

医療の専門学校で勉強していて、私は既に体のケアの仕事を20年位やっている。なのに放っておいた、なんて恥ずかしいことだろう。


子宮体癌は、かなりの確率で初期から不正出血がある。だから初期で見つかることが多いらしい。


もっと早く診察を受けるべきだったと後悔しきりだけど、このタイミングだったから見つかったとも言える…そう思うことにする。


そして、今後の治療について先生は、「もっと大きな病院、私が紹介出来るとしたら…『県立がんセンター』なんだけど…」と少し言い辛そうだった。まんま『がん』て入っちゃてるから気を使ってくださったみたい。


私はむしろ安心した。

知り合いが、ある程度進行した食道癌を、同じがんセンターで治療して今は元気に仕事復帰もしてるから。


がんセンターに予約を入れていただくことにする。が、この日が4月18日で、がんセンターの予約は5月13日。1ヶ月くらい先?進行してしまったらどうするの?


とりあえず、MRIだけ検査専門のところで翌日撮ることに。MRIで癌の広がり具合がわかるらしい。


ショッキングな一連の告知が終わり、待合室で呆然としながら会計を待っていると、女性スタッフが、がんセンターの地図を持ってきてくれた。

「がんセンターは、ご家族の方に一緒に行ってもらってくださいね。頭が真っ白になっちゃうといけないから」と笑顔で仰る。

そんなショックなこと言われるの?といちいちビビる。


そして呆然としたまま、貧血のせいもあると思うけど、フラフラで歩いて帰宅した。

自転車で行ったのだけど、歩いて帰って来てしまったほど呆然としていたのだった。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る