第8話 万引き犯捕まえたら大乱闘・・

小売店を悩ませているのは万引き。

書店などでは万引きが原因で利益を出せなくなって閉店に追い込まれる所もあるくらい深刻なもの。

どこのお店でも大なり小なりは万引きはあるが、万引きが多いエリアというのも現実的には存在する。

そんなエリアにお店を出しているのだから仕方ないと諦めの店長さんもいる。

今でもそんな街があるのかと思われるだろうが、格差社会が進んでおり街にあふれる定職もない若者たちは増えているからだろう。

男女問わずだ。

バラエティショップやドラッグストア、ホームセンターなどで彼らが万引きするのもはカップラーメンから低単価な化粧品までさまざまであるが生活に関係するような物ばかり。


ある日、万引きGメンのオバサンが15歳の女の子を捕まえた。

980円くらいの安い口紅を盗んでいた。

万引きGメンが店長に連絡しお店の事務所へ連れてゆく。

最近は事務所のドアは開けておかないとダメらしい。

監禁されたとあとで犯人から訴えるられたりするらしい。

女の子を椅子に座らせて、盗んだ口紅を出させて、他にも盗んでないかなど訊く。

110番通報し警察官が来るのを待つ。

万引き犯を捕まえたと110番通報してもお店の近くの派出所から警察官が来るまでには30分以上かかることがある。

派出所に警察官がいないときもある。

警察も優先順位があるのだろう。

お店が身柄を確保しているので、パトカーですぐに駆け付けることはほとんどない。


警察官が到着するまでに、突然、女の子の仲間であろう少年少女達がお店の事務所に殴り込んできた。

捕まった女の子が事務所に連れていかれる途中に仲間にラインしていたようだ。

少年少女たちも学校にも通っていないような雰囲気だ。

女の子を解放しろと店長に怒鳴り散らしてる。

中にはバットを持っている子も。

売り場から従業員が駆け付け、もみ合いになっているとようやく警察官が到着したが、このような状況になっているとは知らず警察官は二人だった。

警察官が少年少女を事務所から出し、落ち着かせようとするが、相手は五人。

バットで床を何度も叩いている。

手に負えない。

無線で応援を要請している。


こんどはすぐにパトカーが到着した。

お店の駐車場を見るとパトカーが6台!!

お客さんも驚いている。

少年少女達は連行された。

そして、事務所で警察官立ち合いの下、万引き犯の女の子が取調べられ、女の子もパトカーで連れていかれた。


お店には本人達からはもちろん、女の子の親からも、殴り込んできた少年少女達の親からも謝罪のひとつもなかった。

それが現実だ。



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