七人目 過去は二度と戻ることはできない
「悪いのは、戦争を始めた俺たち魔界の幹部達さ」
男は静かに話始める。魔界と人間界との関係を、それらが戦争を始めた理由を…
時は100年前…男がまだ若き日のこと。魔界の住人、人の世界でいう魔物たちは人間にはない力をもっていた。その為神の使いとされ人々から崇められ過ごしていた。しかしある時人の国の王は恐れた、神の使い達が自分達人間をいずれ虐げると。自分たちは神の使いだからと力を振るうと…
「そんなもの、力でなんとかすればいいじゃないですか」
目にかかる程の長い黒い前髪に海のような青い目の青年、その頭には小さな黒い耳が。クロヒョウの
「あいつらは俺たちを神の使いだと崇めておいて、今度は邪魔者扱いだ。自分勝手なやつばっかりなんですし…暴力じゃなくても、なんとかするべきですよ」
イライラと長いしっぽを動かし、同意を求めるように向かいの席の女を見る。黒い三角帽子、典型的な魔女の服装だ。しかしその服装は華やかで周りの目をひく。一度魅了されたら目が離せなくなるほどの美しさ、魔女のアイラはキラキラと毒のような紫の目を光らせる。
「おや、あんたはいつから王になったんだい?まあでも、あんたの言うことは一理あるよ。やつらはあたしらの仲間を自分達の縄張りから追い出し始めている。迎え入れたのはどっちだっていう話だけどねえ…」
腕組みをしてうーんと考えるそぶりをする。
「あんたはどうなんだい?死神さんや」
銀色のような白髪の青年を見る。その目に生気等はないように、瞳に光などはない。
「どうって全部殺しちゃえば?先に手を打っておいたって損はないんだから、でしょ?」
少しも表情を変えず淡々と述べる青年に、他の二人は寒気を覚える。
「お前…正気か?皆殺しなんて、あまりにも酷いぞ?わざわざ殺す必要もない、怪我だけでもちょちょいと負わせてやればいいんだ、何言ってる。」
歯を剥き出し、死神に突っかかるヒバナだったが、彼にはそんなこともお構い無しだった。
「勝手にすれば?私は人間みたいは恩知らずも、ワガママなやつも嫌いなんだ。知ってるかい?あいつら、私の部下を殺しやがったよ…だから、あいつらにも復讐を、同じように…いや、それ以上の苦しみを」
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