決意

 茉里は、翠にもう帰った方がいいと言われて、一人で家に帰った。ドリンクバーの料金は、二人分支払った。

 家に帰ると、確かに時間は経っていなかった。食事の準備をしていた母に今日の日付を聞くと、茉里が湖畔で過ごした一週間はまるで幻だったかのように、なくなっていた。

 茉里は、ひどく疲れていた。家に帰って母の手料理を食べると、すぐに部屋に入ってベッドに横になる。

 今日はもう寝よう。

 そう思ってベッドに入ると、茉里は、足に何かを感じた。

 冷たい。

 茉里は、起き上がって自分の足に触れてみた。すると、その足はひどく冷たくなっていて、次第に腐臭を漂わせて来た。

 茉里は、急いで部屋の明かりをつけた。足を見るとなんともない。

「荘太さんの、呪い」

 茉里は、そう呟いてベッドを降り、部屋の机の上に置いてあった湖岸の石を手に取った。

「決着をつけなきゃ、私も危ない」

 そう呟いて、意志を抱いたまま、その日は眠った。及川の守護のためか、その夜は何も起きないまま、茉里は次の日の朝を迎えた。

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湖岸の石 瑠璃・深月 @ruri-deepmoon

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