第8話 クリスマスじゃない日パーティー

 年の瀬に。なにゆえ来なきゃならんのか。それはフォー◯の導きだから。


「ei。ちゃんと五七五七七で詠めましたね。ではコレをどうぞ」


 目の前にブヨンと置かれた皿は、エイでできている。料理はエイの刺身。


「奢りのように見せかけて奢りじゃない料理です」

「知っています」

「会費制のように見せかけて会費以外にもお金がかかります」

「存じております」

「全てはフォー◯の導きです。ei」

「ウンザリするほど心得ている」


 12月31日、午後22時27分。無理矢理に集合させられた異世界マン喫の常連客は、鼻が削ぎ落とされそうなほどにエイ臭漂う店内の隅で、体育座りを強いられていた。


「すみっっっっコがお好きな皆さん、さあ、一斉に、ei!」


「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」

「クリスマスじゃない日、おめ〜で〜と〜」


「エーイ! クリスマスじゃない日バンザーイ! オーイエーイ!」


 12月31日。この日は一年で最も危険な日である。何故なら、不思議の国の行事をパクったパーティーを開催するからだ。


 語り手の正体など問題ではない。何故なら、より深刻な問題が、これから発生するからだ。

 今日は大晦日。明日は元旦。だがしかし。


「もう少しで年明けですね、ei」

「そうですね」

「クリスマスじゃない日、オメーデトー! エーイ!!」

「これループするやつですね」


 2021年、1月1日。0時0分。


「ei! ei! クリスマスじゃない日、オメデトーございます、パンパカパーン!」

「やっぱりループするんですね」


 全てはフォー◯の導きである。

 この『クリスマスじゃない日パーティー』を楽しみたい怖いもの知らずのそこの貴方。フォー◯を恐れずに異世界マン喫へ、goto!


「クリスマスじゃない日、ヤッホ〜!!」


 ……あ、店内の時計、狂ってる。


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異世界マン喫 various(零下) @2047

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