第3話 100-48=52

 「勝った、勝った」と安倍総理は豪語していますが、どうも負け犬の遠吠えにしか聞こえません。改選を迎えた現職が当選した6年前より9議席も減らしているのですから。初めから「負ける」前提で、勝敗ラインのハードルを低く設定していたのですから、過半数を確保しただけで大喜びする姿は滑稽であり、無責任です。選挙前の世論調査でも「現政権や自民党を支持する理由」について「他によさそうなものがないから」が最も多く、逆に「不支持の理由」については「から」が最多を占めていました。個人的には「人柄が信用できない」と言われたら相当凹へこみます。


 今回の投票率は48.80%。1995年の44.52%に次ぐ戦後2番目の低調。18歳選挙権の導入で、投票率の低い10代に引っ張られたことを割り引いても低調でした。


 人気漫才コンビ・ナイツの「紅白歌合戦」ネタに、「6割が見ていないんですよ」と皮肉るボケがありますが、今回の参院選では有権者の「半数以上」が不参加だったわけです。「積極的棄権」と「消極的棄権」のほかに「無関心」もあったでしょう。マスコミを含めた多くの論調は投票しなかった有権者の責任とあおりますが、少なくとも半分は議員の責任もある、と考えることはできないでしょうか。


 総理に限らず、国会議員全体を対象に世論調査をして「あなたには人間的に信用できる議員がいるか」尋ねたら、一体何%の有権者が「はい」と答えるでしょうか。もし、過半数に達しないなら大問題です。現行の選挙制度自体のあり方が否定されることになるからです。どの新聞社もテレビ局もこんな調査出来そうもないので、「週刊文春」か「週刊新潮」に是非、期待したいものです。小学館の「週刊ポスト」や集英社の「週刊現代」でも構わないのですが…。

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