第2話 低調な参院選は誰のせい?
予想されたこととはいえ、とても残念な参院選でした。投票率の話です。総務相の抽出調査の結果、10代の投票率は31.33%に留まりました。内訳は18歳で34.68%、19歳で28.05%。2016年の参院選は今回と同じ速報値が45.45%、全投票数の確定値で46.78%。翌2017年の衆院選の速報値41.51%、確定値40.49%でしたから、急激な落ち込みです。ちなみに、全ての年代の確定値は48.80%でした。
選挙期間中、テレビのニュースで見た高校生へのインタビューを見る限り、みんな『投票に行く』と答えていました。画面の高校生が全員、記者を“忖度”し、優等生の答えをしたのか、そういう取材、編集をしたテレビ局側の“怠慢”“捏造”かどちらかなのでしょう。現実を反映できていないのも残念です。
きょうは少し濃いめの深煎り豆でアイスド・コーヒーを淹れましたが、テーマのせいか実際以上に口に苦みを感じます。
18歳の投票率が19歳のそれより高いのは、生徒に対する高校教諭の指導という名の“圧力”と、18歳に偏り過ぎた視野の狭いマスコミ報道によるところが大きいと思います。大いに反省を求めたいところです。「渋川ゼミ」でも指摘した通りです。
20代の投票率も低いのですが、10代の投票率が低い原因のひとつに「納税」が関係しているのでは、と考えています。選挙の歴史を遡ると、かつて「納税」と「選挙権」はセットでした。戦後、普通選挙に変わりましたが、意識の底流に「税金を徴収されているのだから」との“損得勘定”が働くのでは、との仮説です。「給付型奨学金」や「年金問題」も10代有権者は関心があるはず、との反論もあるでしょう。しかし、現実にはザックリ約半数の高校3年生はそもそも「奨学金」と無縁です。卒業後に就職する人を除くと年金もさほど身近なテーマとは思えません。大学に進学した18歳の有権者の場合は、納税という形で社会参加もしていませんから「時間をムダにした」とは思っても「棄権して損した」という発想にはならないのでしょう。投票率の低さを憂慮するのであれば、官僚や政治家は考え方を根本的に見直すべきです。まあ、私は政府の本音が「18歳選挙権」ではなく「18歳成人」であったと考えていますから、既に2024年施行の「18歳成人」を「決めた」今となっては、
投票率の低さは“18、19歳の無関心”でしかなく、政治家自らが解決すべきイシューではないと思っているのでしょう。夏休み明けには「渋川ゼミ」のメンバーとも意見交換をしようと思います。
バイトの広海が幹太を連れて“同伴出勤”して来たので、“キョーイチ”のアイスド・コーヒーをサービスすることにします。
では、また。
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