第3話

 翌日。

 家を出るときに外を見ると曇っていた。

 風が吹いていて過ごしやすい日だった。

 洋菓子店でモンブランと苺のショートケーキの二つを買い、昨日彼女に会った桜の樹のしたのベンチに行くと今日はいなかった。

 ベンチに腰かけて、待つことにした。

 30分後に彼女が来た。

「また会いましたね。唯坂さん」

 と言い、ベンチに腰かける沙紀さん。

「そうですね。沙紀さん、ケーキ買ってきたんですけど食べますか」

「いいんですか」

「いいんです。どちらがいいですか、モンブランか苺のショートケーキ」

「じゃあ、モンブランで。ありがとうございます」

 僕は沙紀さんにモンブランを手渡し、僕もケーキを食べながら、沙紀さんと話した。

 沙紀さんの笑顔も可愛いかった。

 一時間話して、彼女のことが少しずつ分かってきた。

 同い年で独身ということだった。他にもどんな音楽を聴くのかなどを話した。

 桜の花びらが散り始めた頃まで彼女とはいつもの場所で逢えていたが突然、逢えなくなった。

 嫌われたのかと思った。でもそれは違った。

 

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