13 急いで、急いで、急いで!!

「急がない婚活なんてありませんよ」

ー即レスしなかっただけで、この台詞!?

                 ★

 当たり前のことですが、婚活は結婚 したい人がするものです。

 ただし、いろんな人達の集まりですから、いろんな考えの人達がいます。これは、今までも何回も書いていますので、皆さん、耳にタコならず、目にタコかもしれません。

 しかも、ほぼ初対面の人間が出会って関係を築いていくのですから、ある程度時間は必要だと私は思います。って言うか、大抵の婚活女子はそう思っています。

 けれど、婚活をしている男の方々はそうではない方もいらっしゃるようで、会ったばかりなのにもう「夫婦」になった時のことを想定している方、会うことが即結婚OK(しかも、同居&仕事退職セット)と思っている方、私の意向を無視して突っ走る方、様々です。

 確かに、婚活はスピード勝負な部分はあります。

 婚活において、時間はお金と同じくらい大切です。

 先の章においても、私は、稼ぎが良いのに外見が老けて見える方をお断りしております。

 「若さ」というのは、人間が動物である以上、本能が一番敏感に選ぶ基準の一つなのは、否定しようがありません。

 まあ、でも。

 「それだけ」で選ぶのかと言うと、それはそれ、これはこれ、なんですけどね。

 だって。

 いくら若くても、働きもしない、家事もしない男と結婚したいと思いますか?

 それだったら、多少年齢が上でも、稼ぎも良くて性格も良い方の方が、断然好感持てます。

 閑話休題。

 話を元に戻しますと、婚活において、確かに時間は貴重です。

 だけど、彼は「ちょっと急ぎすぎじゃないね!?」って感じでした。

 彼と出会ったのは、これまた婚活サイトでした。

 婚活サイトの良い点は、気軽に申し込みができると言うこと。

 気が向いた時に、ポチポチとやっていたら、なかなか良い感じの方がヒットしてきました。

 ふむ、と思いました。

 プロフィールがありましたが、残念ながら他県の方です。

 けれど、掲示板での交流で終わる可能性もありますし、とりあえず、こういうのはものは試しです。

 早速、交際の申し込みをします。

 さて、皆様。

 ここで今一度確認をします。

 婚活サイトの「交際」の手順は、まず「掲示板交流」→「メール交流」→「直接対面」

という形をとっています。

 今は違った形になっているかもしれませんが、いきなり「会う」ということは、婚活サイトではあまりないと思います。

 しかし、この方は違いました。

 申し込んで三十分もしないうちに、交際を了解するお返事がきました。

「早いな」と思いながら、彼からの掲示板を確認するために、サイトへと行きました。

 そして、二人の交流のために開設された掲示板にアクセスします。

「こんにちは。交際のお申込みをありがとうございました。

 早速ですが、近日中にお会いしたいと思います。

 いつ頃がよろしいでしょうか?

あなたは僕のどこが「良い」と思って、お申込みをしてくださったのでしょうか?」

 すいません、あなたの「顔」が良かったので、申し込んでみました。

 とは、やはり言えません。

 私としては、掲示板交流→メール交流→直接対面という流れで行くと思っていましたから、「早いわ!」と突っ込みが入ってしまいました。

 私としては、まずは掲示板交流をやっていきたい。

 結婚相談所とは違って、間に入る人がいませんから、「直接対面」までは様子を見たいというのが本音です。

 しかし、相手は「会いたい」と言っている。

 これは婚活サイトのスタッフさんに相談するべきだなあと思っていたら、メールの着信がありました。

 メールソフトを開けると、婚活サイトからでした。

「こんにちは。いつも当社の婚活サイトのご利用をありがとうございます。

 さて、本日あなたが申し込みをされた方から「返事が来ない」というメールが届きました。当サイトは真面目に出会いを求めている方が利用することを目的としています。きちんとお相手の方に、お返事をしてくださるようにお願いします」

 と言う内容が書かれていて、私はびっくりしました。

 いやいやいやいや。

 すいません、メールは先ほど来たばかりです。

 まだ来て、一時間も経ってません。

 それどころか、掲示板の交流も、メールでの交流も、すっ飛ばして「会おう」と言われています。

 私は、とりあえずスタッフの方に、お返事のメールを書きました。

 まだ交流掲示板からアクセスがあって一時間も経っていないこと、「早く会いたい」と言われて困っていることを書いて、アドバイスを求めました。

 それから数時間経ち、サイトから返事がきました。

「会うまでの期間は、人によってさまざまです。私達から、お相手の方に意見することはできません」という内容でした。

 おいおいおいおい、と今度は婚活サイトに突っ込みました。

 あーたらの仕事は、婚活サイトの運営でしょーが!

 相手に伝えにくいことも、きちんと伝えんかいっっっ!

 その間にも、掲示板には彼のメッセージが来ます。

「どうして返事がないのですか? 僕を馬鹿にしているのですか!?」

 いや、馬鹿にするとかではなくて。

 君は、いったいどういう婚活をしてきたんだ!? 

 掲示板は、婚活サイトにアクセスしないと見れません。

 ずっとパソコンの前に座っているわけではないのです。

 こりゃあ、ちょっと止めておいた方が良いな、と私は思いました。

 ヘタに会ったりすると、厄介なことになりそうです。

 自分から申し込んだのですが、私はお断りすることにしました。

 このままトンズラしたいところですが、それはそれでめんどくさいことになりそうです。

「すいません。私は掲示板やメールで、まずは交流を深めたいと思っていました。あなたの求めるベースでは、お付き合いできないので、お断りさせてください」

 ですが、それで納得してくれる相手であれば、こんな事にはなりません。

「どうしてですか!? 納得いきません!!」

 と掲示板に来ました。

 しかし、納得が行かなくても、彼とはもう「お断りした方が良い」と、私は判断したのです。

 彼のペースには付いていけない。そして彼は、自分のペースでしか物事を考えない人であることは、間違いない。

 と言うか、この手の人と関わるとろくなことがない、と私の「本能」が言うわけです。

 私は、婚活サイトの彼のプロフィールのページにある交際終了のボタンをクリックして、押しました。

 確かに、私が申し込んだ方ですが。

 お互いのペースが違うのであれば、仕方がないことです。

 と、私はそう思って、パソコンを閉じようとした、その時でした。

 掲示板に書き込みがありました。

「あなたの気持ちはわかりました。でも、婚活は急がないと相手なんて見つかりませんよ」

 との内容でした。

 いや、君が急ぎすぎです。

 と、私は彼に突っ込みたかったです。

 しかし、彼といい、先の章に出てきたバツイチさんの彼といい、何故にそんなに急がれるのでしょうか?

 職場の人生の先輩方達は、「結婚を急ぐ男は、ろくなヤツはおらん。止めとった方がええ」と言われました。

 「結婚」への道を急ぐ人は、確かにいます。

 でも、彼は「性急過ぎじゃね?」と思うぐらい「急いでいた」わけです。

 彼らを「急がせた」のは、何だったのか。

 やっぱり、何かしらの「不都合」があって、それがバレる前に結婚したかったのでしょうか???

 とりあえず、彼らには「急がは回れ」と言うことわざを送りたいと思います。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る