優しい花が咲いている


優しい花が咲いている

この世界には似つかわしくない

優しい花が

嘘みたいに鮮やかな色彩で

咲いている

まるでそれが真実みたいに

手を伸ばせば触れられるのだろうか?

(折られるべきさ)

意識の何処かがそう囁きかけた

(この世界に存在するべきではないね)

危険すぎる

ここはお前のいるべき場所ではない

優しい花が視界に映って揺れる度にそう思えた

どうすることも出来ない

ただその花がもぎ取られるのを待つことの他には


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