第9話 決断

「向こうが現実の世界で、こっちが夢の世界、

そういうゲームがあったような・・・」

「それとは、違うんだよね・・・」

「えっ、どういこと?」

あやめさんは、続けた、


「正しくは、どっちも現実の世界なんだ・・・」

「どっちも?」

「わかりやすくいうと、パラレルワールド」

平行社会の事か・・・


「この世界には、いくつもの世界が存在している。

それは、訊いて事あるね?忠雄くん」

「うん」

「でもね、そのうちの一つの世界から、神様はあらゆる動物を、消滅させたの」

「どうして?」

「言わなくても、わかるでしょ?」

僕たち人間のせいか・・・


「でも、皮肉なものね」

「どうして?」

「地球を破壊させたのは人間だけど、その人間がいないと、

成り立たなくなってしまった・・・」

「なら、全員復活させれば・・・」

「それでは、元の木阿弥なの・・・」

「でも、僕と美里さんだけでは・・・」

「それは、大丈夫・・・」

「そう・・・」

何だか腑に落ちない・・・


「どうする?いったん元の世界に戻る?」

「でも、この世界はまた、美里さん1人に・・・」

「大丈夫。向こうで何年すごしても、今の時間帯に戻って来られるから・・・」

「本当に?」

「歳を取らずにね・・・どうする?」


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