第3話 発見
さてと、どこから探すか・・・
この町も、広いからな・・・
手間がかかりそうな・・・
「あら、今度の子は、随分と大人しそうな子ね」
女の子の声がする。
振り向くと、いかにも今時の女子高生がいた。
「あなたは・・・?」
「私?あやめから訊いてない?」
「じゃあ、あなたが、佐久良美里さんですか?」
「ええ、そうよ」
すぐ会えた・・・
「で、君は何て名前なの?」
「失礼しました。僕は浪岡忠雄です」
「忠雄くんか・・・よろしくね」
手を差し出される。
その手を握るが・・・
「君は、女の子が苦手みたいだね」
「ええ」
やはり、わかりますか・・・
「で、君も私を連れ戻しに来たの?」
「『も』ということは、以前にも誰かきたんですか?」
「ええ、みんな根負けして帰ったけどね」
「ちなみに、僕は何人目ですか?」
「10人目」
この人、いくつなんだろう?
「で、君も私を連れ戻しにきたんでしょ?」
「いえ、探してくれとしか、頼まれてません」
「そうなんだ・・・あやめのやつ、手を抜いたな・・・」
あやめさんとは、知り合いなのか?
「まあ、立話もなんだし、家に来なよ。歓迎するよ」
「いいんですか?」
「うん。この町には、私と君しかいない」
「じゃあ、遠慮なく・・・」
「君は、人畜無害そうだから、安心だよ」
褒め言葉では、あるまい・・・
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