第2話 任務

眼が覚めた・・・

ここは、病院か?

でも、誰もいない・・・


医師も看護師も、他の患者も・・・


ていうか、生物がいない・・・


「気がついた?」

横を見る。

「はーい、忠雄くん」

「あやめ・・・さん?」


微笑むあやめさん。


「うん。君は草食系でしょ?だから、そういう口調が合ってるわ」

「2人称が、君になってますね・・・」

「うん。草食男子の君には、それがいいかなって・・・」

ベットに腰掛ける。


「昨日になるのかな・・・言った通りに、ここには生物のいない世界よ」

「なぜ?」

「それは、おいおい話すわ」


「で、君の使命だけどね・・・」

「うん。覚えてるよ。佐久良美里さんを、探せと」

「お願いね」

「タイムリミットは?」

「無期限。ここでいくらいても、元の世界の時間は経たないから」

「わかったよ」

頭を撫でられる。


「で、探し出してどうするの?」

「その子に訊いて」

「いい性格してますね」

「自分でも、そう思う」

善は急げではないが、早速行ったほうが、良さそうだ・・・


「あれ?」

「どうしたの?忠雄くん」

「身体が自由に動く。痛くも何ともない」

「元の世界の君は、危篤状態だけどね」

難しい事は、後で考えよう。


「じゃあ、行ってくるね。あやめさん」

「うん。私は仕事に戻るから、よろしくね」

「でも、見つけたら、どうやって連絡するの・・・って、もういない」


仕方なく、探す事にした。


《あっ、そうそう》

あやめさんの、声がする。


《もし、食べたくなったり、飲みたくなったりすれば、その辺の店で好きに飲食して≫


さてと・・・

探しいますか・・・

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