ロンリータウン

勝利だギューちゃん

第1話 世界

キキー

ドシャーン

ピーポーピーポー


擬音だけが鳴り響く世界・・・

俺は死ぬのか?

それも、運命か・・・


来世はあるのか?

それも、嫌だな・・・


どっちにしろ、「コレデオシマイ」

さよなら、現世・・・


あれ?意識がある・・・

俺は生きてるのか?

それとも、神様が苦痛を和らげてくれてるのか?


「あなたは、まだ死んでないわよ」

なんだって?


「やあ、大丈夫そうだね」

「そう見える?」

「私を見て、驚かないの?」

「ああ」

「奇特だね。まあ、あなたは危篤状態だけど・・・」

笑えねえよ・・・


「ごめん、紹介が遅れたわ。わたしは、あやめ。天使よ」

「ウソ」

「やはりわかった?死神なの・・・」

「俺は・・・知ってるんだろ?」

「うん。浪岡忠雄くんね」

「ああ」


この女、死神らしくないな・・・


「よく言われるよ」

「だろうな・・・」

やめとこう・・・話が進まない・・・


「で、俺がまだ死んでないってどういう意味だ?」

「実は、あなたにある人を探してほしいの」

「誰をだ」

「佐久良美里さん、あなたと同じ18歳よ」

「どこにいる?」

「わかっていたら、自分で探すわよ」

職務怠慢だな・・・


「で、どうやって探せと」

「じつはね、この町と全くおなじ作りの場所があるの」

「それで」

「でも、その町には、その子しか住んでいないの」

「で?」

「だから、あなたにその町にいて、その子を探してほしいの」

ベタな話だな。


「あなたは一度、眼を覚ます。そしたら、その町にいるから、よろしくね」

なんで俺が・・・


「そうそう」

「なんだ?」

「素のままでいいから、あなたにそういう口調は合わないわ」

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