第3話 『ドリフターズ』
次にご紹介しようと思ったのは、前回ご紹介した、『うしおととら』の作者の藤田和日郎先生の次の長編、『からくりサーカス』だったのですが、先に平野耕太先生の『ドリフターズ』を紹介することにします。
何故って同じ作者の作品が続くのって、なんか内容が似通いそうになってしまうのではないとかいう心配があるからです。
先に今現在進行形でハマっている漫画、『ドリフターズ』を紹介します。
この『ドリフターズ』については、『DRIFTERS』というタイトルで、アニメにもなっているので、ご存知の方も多いかもしれません。
ですが、アニメではちょっとしたエピソードなんかが削られてしまってたりするので、ヒラコー節を存分に味わいたいなら、是非原作の漫画を読んでみてください。
この漫画との出会いは、実はオンラインゲームが元です。
どういうこったい、と思われるかと思いますが、実は私がやっているオンラインゲームの中で、所属しているギルドのお偉い人の一人が、この平野耕太先生の漫画が大好きで、「絶対ハマるから」と、勧められたのがきっかけです。
尚、その時勧められたのは、『ドリフターズ』の前作の『HELLSING』で、しかもアニメだったのですが、そちらにどっぷりハマりまして、よくネタ動画で使われる件の演説もしっかり視聴しました。が、原作漫画が未読なので、『HELLSING』は脇に置いておくことにします。
この漫画のあらすじを今風に言うと、『異世界に飛ばされたけど飛ばされたのは歴史の偉人たち!?異世界で繰り広げられる戦大好き三人衆による大合戦!!』ってな感じになります。
なんじゃそりゃ、ってなるでしょうが、まずはキャラ紹介をしていきます。
まずは主人公、島津豊久。別名妖怪首おいてけです。
なんじゃそりゃ、第二弾ですが、島津豊久は戦国時代の武将。ようするに、首=手柄なのです。なので度々、敵の首に執着することがあり、その際に放つセリフが「首置いてけ!」なのです。
彼は島津弁を喋りますので、方言に疎い方にはちょっとセリフを読み解くのが面倒くさいキャラかもしれませんが、とにかく真っ直ぐ。揺るがない。底知れぬ強い意思を持ったキャラクターです。
そして行動が予測できないし無茶苦茶やるのですが、そこがまた、このキャラクターの魅力でもあります。
次に皆さんご存知織田信長。
またあんたかい、って言われそうな信長さんです。ですが女体化もしてなければ巨大化もしていません。おヒゲのナイスな眼帯おじさまの姿です。これは結構、戦国ゲームなんかで描かれている信長に近いので、既視感を覚えるかもしれません。ですが、この信長も破天荒です。さすが第六天魔王。
そしてメインのラストを飾るのは、那須与一です。
そう、歴史授業でよく習った、船の上の扇を打ち落とすあの人です。
女性に間違えられそうなほどの容姿を持つ、少年の姿で出てきます。
彼もまた、偉人とは程遠い人間臭い性格をしていて、己の枷に因われたり、また、自慢気に自分の腕前を披露する場面もあります。
この、メイン三人衆の相手、敵となるのが、異世界で人類(エルフやドワーフ含む)を滅ぼそうとしている、謎の黒王、と、あの有名所のジャンヌ・ダルク、土方歳三、ロシアのお姫様だったアナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァなどなど…だったりします。
メイン三人衆には何も与えられていない代わり(?)に、敵たちには未知なる力がそれぞれ黒王から与えられています。
あらすじは、瀕死の戦国武将、島津豊久が辿り着いたのは異世界だった。そこで18年前に謀反で死んだはずの織田信長、そして400年も前に死んでいるはずの那須与一と出会う。
彼らはその戦で培った経験と、能力と戦術で異世界を生き抜き、魔導結社「十月」の導きで、黒王軍との戦いに身を投じていく……そんな物語です。
この物語の最大の魅力はキャラクター、と言いたいところですが、ここはあえて、ストーリーを持ってきます。
何故なら、実はこの『ドリフターズ』、現在第6巻まで発行されてますが、5巻がでてから6巻が出るまでに、約2年半経っています。
つまり、すっごいペースが遅いんです。なので、ついつい忘れてしまいそうになりがちですが、冒頭にも述べた通り、現在進行系でハマるくらいこの漫画のストーリーは面白く、「しかたねえ、待っちゃろかい」という気にさせてくるんです。
ついこの間ツイートで流れてきたものの中に、「イラストを描く際の法則 作成時間<準備時間」というものがあるのですが、何がいいたいかといいますと、この漫画、凄い練られて描かれてるな、っていうのが伝わってくるんです。
そのツイートには、1枚のイラストを描くのに、参考資料などを5000点見ろ。もし自分でモチーフを写真に撮るならば、1000枚は撮れ。とありました。つまり、準備時間とは、イラストを構成するための要素を積み上げろ、と言っているのです。
私はプロフィールにもあります通り、イラストが本分の人間です。なので、このツイートには納得しかしませんでした。何故なら、私の作品で評価が高いものはどれも、準備期間が長いものだったからです。そして何より、現在は事情で休止していますが、私の通っていた絵画教室の先生が言っていたこと、私が絵画教室で実感したことそのものだからです。
つまり、『ドリフターズ』からは、膨大な準備時間を費やして描かれているな、というのが肌で感じられるほどのストーリーが展開されるのです。
『HELLSING』もそうでしたが、平野耕太先生、一体本当にどこまで考え抜いてるのか、底が知れないです。このストーリー展開が何よりも『ドリフターズ』の魅力であります。
次になにがあるかわからない。でも、登場人物の行動にはみんな筋が通っている。なんていうか凄いしか言葉が出てこない。語彙力よさようなら。
ストーリーは関ヶ原の戦いから始まります。島津家?聞いたことねえな。東軍ってどっち?関ヶ原の戦いってなんで起きたの?すら覚えてない私でも、すんなり入っていけました。ちなみに、私はアナスタシアが当初だれだかわかりませんでした。そんな歴史オンチ世界史オンチでも、入っていけます大丈夫。
というわけで、ストーリーの魅力を語っていたら長文になってしまいました。
前々回紹介した由貴香織里先生、前回紹介した藤田和日郎先生と同じく、平野耕太先生も独特の絵柄ですが、ちょっとでもひっかかるものがありましたら、是非ご覧になってみてください!
そして一緒に待とうぜ第7巻!!!
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