#10
本当にこれが正しかったのか今だに迷うときもある
寂しさゆえの情熱を濡れるのが当たり前な季節の雨じゃ冷ますことはできなかった
物凄い勢いで浴槽から飛び起きた
全身で激しく息をしながら上半身から水滴が滴り落ちている
いったいイツから風呂場にいたんだ俺は
無意識に湯に浸かるなんて初めてだ
「随分と長かったのね」
風呂に入った記憶がほぼ無いので気の抜けた返事しかできなかった
入浴する前の記憶はベットの中にいた事
気付いたら湯船に浸かってたなんて彼女に言えなかった
プライベートで彼女の家で診察なんて白けるだけだ
それからは診察に行く機会は減りはしたが
彼女に逢う頻度は増えた
薬も飲むのは忘れるのがザラで酒の量は少し増え2人の関係も少しの間は良好だった
薬ではなくサプリメントを彼女から貰った
白いプラスチックのボドルにラベルは無く黒いマジックでEPHと書いてある
そいつをたまに飲むぐらいで抗鬱剤と睡眠導入剤は必要なくなった
そして通院することも無くなりマリヤとは疎遠になった
仕事は順調で女性のクライアントと関係をもつなんて事もたまにある
倫理観や道徳観が無いと言われればそれまでだけど所詮は男と女、本能には逆らえない
そしてその本能はマリヤと疎遠になる1つの要因となった
燃え上がるのが速く鎮火も速かった
後悔なんてない、思い出さなかったから
アイツと知り合うまでわ
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