#4
頭の中は真っ白だ 純白なんて綺麗なものではなく意味のない白さ
故に地下2階のドアが開いても唖然としていた
気でも狂ったのか脳が疲れて見せた幻なのか
喫煙所についても、しばらくタバコを吸わずに、さっきの衝撃が思考を停止させていた
俺は狂ったのか、それとも病気になったのか
この衝撃がくれた疑問を解決してくれる方法を煙を吸いながら考えてみた
すぐに浮かんだ打開策は却下した
もう会わないと決めた相手にすがるのは女々しい
しかし最短距離でシンプルな手法
気軽に相談できない悩みは、また一つ同類の悩みを生んだ
揺らめきながら左手から昇っていく煙をみて途方に暮れた
答えを探し出す術の答えが見つけられない自分はまさに無力
行き場のない疑問はタバコを吸う動作を停止させていた
右の大腿部に揺れを感じ携帯電話を確認したところ上司からの電話だった
12階に行き上司の話を聞く
眼鏡の奥からわかる眼光の鋭さで
「申し訳ないんだが」のオンパレードを絡ませながら
週1,2回の最近買収した会社の出向を頼まれた
早速来週から東京の本社勤務をしながら横浜の子会社でも働くのが決定した
本社は持ちビルだが横浜の子会社は賃貸
しかし子会社が入っている横浜のビルを買うなんて噂が出ている
申し訳ないが好きな上司もこの事を匂わせる発言をしていた
今回の辞令は自分が適任者なのか島流しのリストに入ったのか
そんなことを考えながら自分のデスクに座っていた
パソコンの右下に表示された時計を見ると15:30
そういえば昼食をとっていなかった事にきずいた
それにきずいた途端に腹が鳴った
空腹のサインを受け取ったものの食事をする気になれなかった
いや、職場から今すぐにでも離れたい
空腹よりも帰宅して今日あったことを整理して眠りたい
寝れば何とかなるのかわからないがここにいるよりかマシだ
体調不良の大義名分のもと自宅のベットの上に到着
空腹よりも疲労が勝利し微かに雨音が聞こえる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます