景観条例



あなたが背をさすってくれた記憶の

うるさいことうるさいこと

喧しい

それがなければつき落とせたのに

変に青い夜の淵で、

車の通らない橋の上で、

あなたの眼を見た記憶と

心を聞いた記憶とが

ないまぜになるこの季節に

あなたを突き放していた


耳元で囁くいっときの幸せ

触れる指先が唯一のあどけなさ

安閑に帰す真冬のこの日


未だ生き続けるあなたを

ネオンを見下ろしながら考える

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