第4話 とりあえず自己紹介しましょうか。
「では、どうぞ。」
そういって、ドアを開けたバシュさん。
無駄に大きなドアが開くと、その中はとてもカラフルだった。
赤、青、緑、金、銀、ピンク、水、白、部屋の中にいたのは私を含めず8人。
確か新聞には9人って書いてあったから・・・
私を入れてピッタリ9人だ・・・
私ラストだったのか・・・。
「遅れました。」
いつかのようにぺこりとお辞儀をすると、クスリと笑う声。
「時間ピッタリだよ。大丈夫。」
「そんなに緊張しなくても大丈夫なのに。」
「いや・・・緊張するのがふつうじゃ・・・」
頭をあげていろんな人の顔をよく見ると、皆美男美女ばかり。
男女比は私含め男子5:女子4。どうしてこんなにきれいに分かれたのか・・・。
「ここ、あなたの席。」
白髪の子にそういわれてその席に着く。
白髪の子は、かの有名な"アリス様"だった。アリス様は、実際にアリスという名前なのではない。私はその宗教じゃないからよくわからないけれど、どこかの宗教の偉い人の娘さんで、彼女自身、常人とは比べ物にならないくらい治癒まほうが得意らしい。
私のこれも、新聞や人との
「ありがとうございます。アリス様。」
「・・・そのアリス様っての、やめて。」
「え?」
「別に私、様付けされるような素晴らしい人じゃないから。」
アリス様と呼ばないで、と言われても、私は彼女の名前を知らない。アリス様、と呼ばれていることくらいしか、彼女の情報は出ていないのに・・・。
「よし、全員集まった所で、とりあえず自己紹介をしていきたいと思う。
最低、名前とどの属性のまほうが使えるかは言ってほしい。
まずは俺から。この国の王子。ジークハルト・クンツェンドルフだ。火・水・土・風の4つのまほうが使える。王子だからといって気負いせずに、気軽にジークでいい。よろしく頼む。」
流石は王子と言ったところか、どうどうと胸を張りそういった王子。きれいなブロンドと金色よりは黄色に近い瞳。
王子の補正がなかったとしても、とても見目麗しい方。
「じゃあ、次。ハルトヴィン・クンツェンドルフ。一応この国の第2王子をやってる。属性は火・水・土だ。よろしく。」
第2王子は銀髪にきれいな金色の瞳。でもその瞳はどこか影がかかっている。第1王子に負い目でも感じているのかなんなのか、私にはそんなことよくわからないけれど、多分彼はあまのじゃくだと感じた。
「じゃあ、次、私行かせていただきますわね。私はレーナ・グリーベルですわ。一応、水属性にたけています。よろしくどうぞ?」
彼女も、ものすごく有名だ。なんせ国1番の研究者なのだから。それに加え、彼女は水を操れるから、雨を自由自在に降らす事ができたり、水を凍らせて氷で攻撃することも可能だ。
青い髪と透き通った碧の瞳。その瞳は、とてもきれいだといつか人から聞いたことがある。
確かに、とてもきれい。
「なら、次、行かせてもらう。オレはニコラウス・ツヴァイクレ。火属性のまほうと、物理攻撃が得意だ。よろしく頼む。」
二かッと太陽を連想させるような笑顔を見せた彼は、騎士団の隊長様だ。
彼の赤い髪が彼自身を表しているようだった。
それにしても騎士団の団長様が遠くにいて、それで内乱がおこったらどう対処するつもりなのだろうか・・・それとも、だれも内乱を起こさないという自信があるのだろうか。
「なら、次。オリ―ヴィア・ダールベルク。光属性。アリス様、とだけは呼ばないで。」
アリス様は、ニコリともせずにそういった。白い髪と赤い瞳、とても神秘的な見た目で、とてもかわいらしい見た目。
それには似合わない話し方。全てが私の知らない"アリス様"だった。
光属性って・・・確かものすごくレアなんじゃ?
「じゃっ、じゃあっ!次!行きます!えと、ヴァルター・テーグリヒスベックでしゅっ!一応、水で、レーナさんの部下ですっ!よろしくお願いします!」
そういったのは、もう明らかに女の子みたいな見かけの男の娘だった。
レーナさんの部下・・・尻に敷かれてそうだなぁ、とか呑気に考えるけれど、そんなに呑気にして盛られないような不穏な空気がした。
彼の雰囲気は裏がありそうで怖い。
「つぎ、自分行きますね。アルノルト・ノイエンドルフです。一応、宰相さんの話では全属性のまほうを使えるらしいです。よろしく。」
誠実を人間にしたような人だった。この人が勇者様か・・・とジロジロみてしまう。勇者様というには、少し頼りないというか、ひょろひょろな気もしたけれど、勇者様は見た目なんかじゃ計り知れない力を持っていると聞いたことがあった。
「じゃあ、空気読んで私かな?私は、マオ・サクライ。一応、女神?って呼ばれてるみたいだけど、全然そんなことはないです。一応属性はアルくんと一緒で全属性。よろしくねっ。」
ピンク色の髪で、愛らしい笑顔。それに加えて全属性もちときた。私この人のあと、いやだなぁ・・・とも思った。
情報があまり入ってこない田舎だけれど、彼女のはなしはかなり早く回ってきた。王都で100年に1度行われる召喚の義で彼女が来たらしい。
マオ・サクライというこちらでは異質な名前も、そのせいらしい。
「じゃあ、最後。よろしく。」
そうして、私の番が来た。
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長くてすみません!
全属性→光・火・水・土・風・夢
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