第103話 のぞき -ピーピング-
『
秘密を覗き見る
人が知らないと思い、発した言葉
人に知られないと思い、やり取りした言葉と気持ち
知られているよ
あたしは知ってる(笑)
身体から出したら、それは伝わるんだよ
仕草や
言葉の端々や、
射る視線
口の開きかたや角度
熱い想いや
怒りや
悲しみや
慈しみも
恨みも
口から出た言葉
漏れ出す感情、
あれはとても分かりやすいよね
愛しい気持ちや
あざ笑う悪意や
全てが顔や声に出る
慈しみも
嘲りも
怒りも
顔や声が裏側まで語るんだ
見た人や聞いた人
相手にはその心が全部伝わっている
相手は知っている
見えているよ(笑)
書かれた文章
そこからだって心は読み取れる
言の葉に記された想い
ごまかして書いている言葉たち
知ってるよ
愛する気持ち
憧れや嬉しさや
悲しみも恨みも
読み取った文章の中にあふれている
見ているよ
あなたの本当の気持ち
気づかれているよ
相手には
知らないのはあなただけ
あたしは知ってる(笑)
誰にも知られないと思っている、二人だけのやり取り
もう誰かに知られているよ
あたしは知ってる(笑)
恋の
策謀をかけたことや
知略だと信ずるものも
わかるんだよ
気をつけていても
心の中から出てしまえば
あたしは知ってる(笑)
たゆたう海や
ながれる風のなか
流された言葉の
見る人が見れば
言の葉を継ぎ合わされて
真実が、心のうちが知られることを
そして……
覗くものは覗かれる
あたしのしていることも
誰かに覗かれている
そう……
あなたに……
あたしは知ってる
覗いているあなたを……
やはり誰かが、覗いていることを(笑)
覗きかえすのは、深淵だけじゃない……
-つぶやき-
自分は何も知りません(苦笑)
自分の中に住むキャラが囁いてきた言葉をただ書き取った。
そんな感覚が近いですね(笑)
自分は知らないけれど、
ただ、心の中にあるものは、わずかでも心から出せば、すべてを誰かに知られるということは知っています。
知っていて、知らないふりをしてくれる人がいるだけです。
自分は、そうしてくれる人のことはありがたいと感じます。
監視されているではなく、見守られていると感じるからでしょうか(笑)
詩の言葉は、拙作の世界に住むキャラの言葉、キャラの視点で書いたつもりの文章です。
彼女は自分の心の中に住み、
心のなかの世界から、こちらの見るものを覗き、
こちらが考えていること、していることを見ています。
そして、こちらのことを見ているのは他のキャラたちもですね。そう感じています。
自分が嬉しいと感じることも、悲しいと感じることも。
できる範囲で人に手をさしのべたことも、
怒りに身を任せた激情の行動も、
人に知られたくない恥ずべきことも、
何もかも見ています。
それを見て、冷ややかな視線を向けたり、慈しむような眼差しや、憂いに目を伏せたり、目を背けることがあるのを感じています。
「魂は嘘をつかない」
ある本から以前に得た言葉です。
彼らキャラクターたちは、
自分のなかの世界に住み、自分の作った物語を演じながらおりますが、
こちらの見るもの、こちらの心のなかを、一緒に見たり、覗いたりもしているのですね。
そんな風に思える瞬間が、たしかにあります。
彼らが物語の外でも生きていると思えたりするのはそんなときです。
彼らはわたしの魂かもしれませんね。
ちょっとそんなことを思いました。
もしも自分の魂であるならば、
こちらのすること、したことに呆れて、去られないためにも(^ω^)
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