第102話 いしのおもい ◇ ちんし ◇ ひばな
『いしのおもい ちんし ひばな』
-ちんし-
ふかくもぐる
人が想いへと静かに沈みゆく
そのさまを見る
冬の眠りの季節
眠らぬものも眠りをもとめる
そうした安らぎをもとめる
深く思うときなのかも知れない
人たちの深き想い
深き眠りとともにおもう
◇◇◇◇◇◇
-いしのおもい-
石の想い
頑なな想い
その想いは変えられない
想いというのは
感じたもの、受けたものからの
心の動き
魂の輝き
そうした想いを、その胸に秘めて
想いを糧に
想いを杖に
その心のままに歩み続ける
そして人と出逢う
時に寄り添い
時に交わり
秘めた想いのままに、歩み続ける
それは旅の道行きのよう
けれども
それぞれの想いは
時にすれ違う
頑なで、すれ違う想い
時に道行きがわかれ
時にあゆみをとめる
秘めた想い
想いに迷い
想いを探す
抑えこみ、胸から逃れた想いを
世界には
そう感じることがある
そうしてすれ違う想いの囁きが聞こえ
すれ違うことでぶつかる感情に出逢う
その場で口をつぐみ
あるいは
その場から去る
その想いを胸に歩み続けるために
持っていたはずの想いに蓋をする
すれ違う想い
ぶつかり合う想い
追い縋る想い
振り払う想い
想いに傷つき
想いにつかれる
人の想いに寄り添いたい
そう思うのだ
自らの想いを持ち
想いを秘めるゆえに
石の想い
頑なな想い
その想いは変えられない
簡単には
かたくなな想いは
むりに変えようとすると
こわれてしまうことがあるから
想いというものは
なかなかに変わらない
自らが変えようと
真剣に
本当に真剣に
みずから変わろうと
心から決めないかぎり
それでも信じている
そう願っている
いつかの物語のように
きっと馬が笑うように
いつかきっと
このいしがやわらかくなることもあるにちがいない
すれ違わずに
きっと正面から向き合えるときが
きっと
いつか
きっと
世界を創ること
歩み続けること
受けた感謝を
繋がった縁を
その想いを胸に
はるか先を見据えて
いつまでも進みたい
激情でなく
諦観でなく
情熱のような
その意志と想い
いしのおもいで
◇◇◇◇◇◇
-ひばな-
火花
化学反応の火花を体験する
人との想いへと出逢う
傷つきながらも
先を見て歩む人の想い
熱く秘めた、その人の想いを知る
その火花を受ける
その想いを受け継げたらと
冷えた心があつくなる
ありがとう……
つめたく、かたくなだった想い
あたたかさと、やわらかさを感じる
そんなおもいへと出会う
あたたかな、やわらかさを受ける
あなたの想いを……
◇◇◇◇◇◇
-つぶやき-
書きはじめてから、もう一ヶ月以上悩んでいた文章です。
初めに思ってこれを書き出しましたが、結局年が過ぎてしまいました(苦笑)
これは完成させず、捨ててしまおうかとも思いましたが、不出来ながらも、とりあえずなんとか形にしました。
ご笑納いただけるといいのですが……。
萩尾望都先生の作品、
『感謝知らずの男』の、『狂おしい月星』
『ローマへの道』
自分のバイブルである、この作品たちへの想いへと通ずる出来事に出会いました。
そうした作品、そうした人に出会えたことは僥倖です。
これがなんとかできたのは、その出来事にあえたからですね(^ω^)
ですから、その作品とその人に感謝を。
あなたの想いを杖として、この作品は出せます。
ありがとう。
いつか、あなたの想いが叶いますように。
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