第63話 北極星(ポラリス)

届かない北極星ポラリスに行きたい


そんなことを思っていた



北極星ポラリスを目指して、

本当に、そこへ届くような勢いで突き進んでいる人がいる


僕にはその力がない

そんなことを自嘲気味につぶやいたことがある



北極星へ至る道を進んでいける人を追いたいけどって……





それを聞いた君は言ったね



ポラリスはあなたが目指すところじゃない


進むべき道は北極星の方角でも、

進み方はあなたの速さで歩んでゆけばいいって



僕を見た君の目は深く澄んでいて、

とてもきれいで、

そのまま吸い込まれてしまいそうだった




僕はその時、君と一緒に進みたいと思ったんだ



無理だけど……でも、



できるなら


できるだけ



君と共に


君の近くを



一緒に進みたいと


そう思ったんだ







届かない


ポラリスへ



君が示した


僕の至る道のりを






少しでも近くへ……

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