No.113 いや、誰??
「おお!! ついたぞっ!! サンディっ!!」
「ワンっ!!!」
うちとサンディは楽しい寄り道をしつつ野宿をしつつホワイトネメシア国の王城にやってきていた。
雪が積もっているため城は白くなっていた。
やっぱり、寒いな……。
北国に入った途端寒くなっていたのでうちはポンチョやマフラーなどをしていた。
サンディは白い毛があるおかげか『寒さなんてへっちゃらだぜ』という様子だった。
門の前には兵士が立っておりうちに気づくと声を掛けてきた。
うちの顔を知っているのかすぐに反応してこちらまでやってくる。
「ホワード公爵令嬢。お待ちしておりました。ニト様がお待ちです。今、門を開きますね」
「ああ。よろしく頼む」
そう答えると目の前の大きな門は開き始める。
両開きの門が横にはけていくと同時に王城の全ての姿が見えてくる。
やはり全体に白く凛とした美しさを放っていた。
ホワイトネメシア国の王城には様々な高さの塔が複数あるのだが、すべてがパズルのようにきっちりはまっている。
門を超えると王城の絵を1枚書きたくなるほど綺麗だった。
アメリアはサンディとともに王城の敷地に入り、サンディを事前に用意してもらっていた小屋に預ける。
「お疲れさん。ゆっくりと休みな」
うちがそう声を掛けると思いっきり遊んだサンディはすぐにくつろいでいた。
怪我をしたことがないことを確認すると、アメリアは王城の室内に入っていく。
今日はきっとじっとしていないといけないだろうな。
今いる場所が
というかすぐに買い物や山の方に散策に行っているだろう。
でも、立っている場所はホワイトネメシア。
異国。
しかも、裏ではトッカータ王国と少々仲が悪い国だ。
下手なことをしたらさすがに怒られるよな。
うちは偽名とはいえトッカータ王国女王族が代々嫁いでいるホワード家の人間であり、結局敵対している位置に変わりない。特にニト以外のホワイトネメシアの王族には。
メイドや執事に案内され廊下を歩いているとニトにであった。。
「やぁ、アメリア。やってくれるね、先に行くなんて」
「いいじゃないか。別に特に問題はないだろ」
「そうだけど……。あ」
さっきまでこちらを穴が空きそうなくらいじっと見ていたニトがうちの後ろに目線をやる。
うちも気になって後ろを振り返った。
「ごきげんよう。ニト様」
「えっ??」
そこには見たことのある女性が立っていた。
最近ではめったに見ない髪色の女性。
うちと数歳しか変わらない女性。
彼女はホワイトを基調としたドレスをまとっていた。
いや、見たことあるってもんじゃない。
そこには実家でよく過ごしていた姉が立っていた。
「アナ姉……??」
え??
誰っ??
本当にアナ姉??
うちは目の前にいるのが以前までうちとともに暴れまわっていた姉とは信じられず、何度も瞬きをする。
「久しぶりね。アメリア」
アナ姉は見たことのない笑みで初めて聞くレベルの口調で言ってきた。
え??
本当に誰??
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