第30話・反撃と停滞とー2
そんな壮太と美玖のやり取りを余所に、
「組むか?」
「いいよ、私は誰とでも」
そのまま、宗史は近くにいた
申し訳なさげに、その輪に淳と康孝も近付こうとしたが、宗史はそれを制止した。
「裏切者は寄るな!」
そう凄まれ、二人は後退りしながら、宗史の元を離れた。
その様子を見ていたあかりも又、宗史から少し離れた。
いくら主犯は修とはいえ、一緒になって
離れた先にいた、
ただ、あかりとしては、誰でも良かった。宗史でさえなければ誰とでも。
二人の了解を取ると、事ここに及んでも、まだ呑気な顔をしている
あかりは努めて明るい笑顔を二人に向けながら
「ほら、しっかりして、行くよ」
と励ました。
その様子を見ていた壮太もすぐに、冬人、美香、そして香織に、一緒にやろうと提案した。
いつの間にか冬人の脇に立っていた、クラスの中でも一番大人しい
「わ、私も、い、いいかな」
「お、おう、歓迎するよ」
いつもおどおどしている希。身長もクラスで一番小さく、お世辞にも運動神経はいい方とは言えない。
いざとなったら足手まといになるんじゃないかと、壮太は心配になったが、すぐに自分の心の狭さを後悔した。
そんな壮太の気持ちを察してか、香織がこう続けた。
「大丈夫。いざとなったら私が守ってあげるから、ね」
そう言って、希にウインクして見せた。
淳と康孝は、どうしていいか分からずオロオロしていた。
そしてそれは、
自分の保身しか考えていないかのような先程の海の発言に、皆が
「ぼ、僕は、一人でやるからいいよ」
誰に言うでもなく、海は強がって見せた。
そう言って、海は周りを見渡したが、その視線に誰も合わせようとはしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます