シンデレラ(カオス)
ある所に、シンデレラと呼ばれている美しく優しい娘がおりました。
シンデレラのお母さんは亡くなり、お父さんは新しいお母さんと結婚しました。しかし2番目のお母さんはとても意地悪で、いつもシンデレラのチョコレートアイスをチョコミントアイスにすり替えていました。
さらに連れ子である二人の義理のお姉さんも意地悪で、掃除、洗濯、食事の支度、崩れたジェンガの組み立てなど全てシンデレラにやらせていました。
ある日、この国の王子様がタピオカパーティを開く事になり、お母さんと二人のお姉さんはタピオカのコスプレをしてお城へ出かけていきました。 シンデレラも行きたかったのですが、お母さんが飼っているダイオウグソクムシの世話を命じられて行けませんでした。
「私もタピオカパーティに行きたかったわ…」
そう呟くと、シンデレラの目の前に突然、通りすがりのおっさんが現れました。
「落ち込まんでええでお嬢さん。わしがタピなんとかパーティに連れてったるわ」
「本当?でも、こんなボロボロの服では行けないわ」
通りすがりのおっさんはAmazonでマイクロビキニを即日配達で注文しました。
「あとは馬車もいるわな…」
通りすがりのおっさんは馬車をレンタルサービスで注文しました。
しばらくすると家のチャイムが鳴りました。
「Amazonは本当に便利だわ」
そう言ってシンデレラは外に出ると、スーツ姿の男性が立っていました。
「どうも、NHKの集金に参りました。100万円払ってください」
「ひゃ、100万円…?!」
もちろんそんなお金はありません。狼狽えるシンデレラにスーツ姿の男性は畳み掛けます。
「払えないのなら、お宅のダイオウグソクムシを差し押さえます」
「そ、それだけはどうか…!!」
この様子を見かねた通りすがりのおっさんは、スーツ姿の男性にスターダストプレスを繰り出しました。頭を強く打ったスーツ姿の男性は息を引き取りました。
スーツ姿の男性を裏庭に埋め終えた頃、注文していたマイクロビキニが届きました。シンデレラは急いで着替えます。
「都会のファッションはわからないけど、これが流行りなのね。素敵!」
色白の肌を露出したシンデレラは、鏡を見てうっとりしています。
「あ、ついでにイオンの福引で当てたガラスの靴やるわ。足のサイズ合わんし」
通りすがりのおっさんはガラスの靴を箱から開封しました。
「ありがとう。とても素敵な靴だわ」
シンデレラはガラスの靴を履いてみます。驚くほどにシンデレラの足にぴったりでした。
身だしなみを整えたシンデレラは、急いで馬車に乗り込みます。通りすがりのおっさんは最後に警告をしました。
「12時を過ぎると馬車のレンタルに延滞金5000兆円が発生するんや。絶対12時までに戻ってきてくれ」
「わかりました。必ず12時に戻ってきます」
シンデレラはそう約束して、大喜びでタピオカパーティへ出かけました。
お城に着いたシンデレラは、たちまちみんなの注目の的になりました。
「痴女よ!」
「痴女だわ!」
「えっろ」
王子様もシンデレラのドエロい姿に気づき、シンデレラに話しかけました。
「ぼくと一緒に、タピりませんか?」
「タピりましょう、王子様」
パーティで用意されたたくさんのタピオカを使って、バエる写真を一緒に撮り続けました。写真をインスタグラムにアップすると、うなぎ登りにフォロワー数が増えていきました。
シンデレラは王子様と夢のような時間を過ごしていると、あっという間に11時半を回っていました。 通りすがりのおっさんとの約束を思い出したシンデレラは、慌てて駆け出しました。
「ごめんなさい。もう帰らないといけないの」
「そんな! ぼくの昂ぶる興奮はまだまだ収まらないよ!」
王子様は性欲で引き留めようとしましたが、シンデレラはあっという間に消えてしまいました。 階段にはシンデレラが履いていた美しいガラスの靴が片方だけ残されていました。
数日後、王子様は何とかしてタピオカパーティの女性を探し出そうと、おふれを出しました。『ガラスの靴がぴったり合う女性と結婚する』というので、国中の女性がガラスの靴を履こうとしましたが、誰も履くことができませんでした。
やがて王子様の使いはシンデレラの家にもやってきます。2人のお姉さんもなんとか足をガラスの靴に詰め込もうとしますが、割れたガラスが内側足底動脈に突き刺さり、2人とも出血死しました。
最後にシンデレラが靴を履いてみると、見事に履くことができました。
「この方こそ王子様の探しておられた女性だ!」
王子様の使いはシンデレラをお城へ連れていき、シンデレラと王子さまは結婚しました。
そして、馬車の延滞金5000兆円と利子1000兆円の返済で国が潰れました。レンタルサービスの事務所では、差し押さえられたダイオウグソクムシが元気いっぱい泳いでいました。
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