白い残像 15

突然、彼女はキャッと叫んで、後ろへ倒れそうになった。


耕治はとっさに彼女の手を引っ張り上げた。


それで、どうやらしりもちをつかずにすんだ。


「ありがとう。恐かったわ」


しばらく滑るうちに、手を引かなくても滑れるようになった。


その時、信代のそばに一人の男性が来て、信代を連れ去った。


耕治は村上から、その男性は信代の恋人であると聞かされた。


耕治は白いリンクに膝を落とした。


かなえられぬ、報われぬ恋だと悟った。

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