白い残像 16

「どうして滑らないよ?戻ってらっしゃい。私はあなたが好きよ」


彼は顔を上げた。


彼女が悲しそうな顔で、青ざめて立っていた。


「ねえ、わかってくださるわね。私達どうすることも出来ないってこと。私のことは深く考えないで、心の奥にしまっておいてちょうだい。あなたは今、私を好きかも知れないわ。でも、時がたつにつれて、あなたは前ほど私を好きではなくなるわ。いいわね。冷静になって考えてちょうだい。いつかあなたは、私よりももっと好きな人が出来るに違いないわ」

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