白い残像 13

二人は一つの傘の下で、歩きながら話した。


雨は密かなメロディーを奏でながら、傘の上に落ちていた。


梅田スケートリンクに着くと、滑走券を買い、スケート靴を借りた。


耕治はスケート靴をはくと、白いリンクの上に降りて行った。


氷面は美しく、滑らかだった。


滑走すると、軌跡が白い残像となって、耕治の目をとらえた。


信代がリンクに降りて来た。


彼女は紺のスラックスと、真っ白なセーターを身につけていた。


その姿は清純そのものだった。

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