白い残像 10

とうとう電車がやって来た。


ついに彼女は来なかった。


耕治は泣きたい気持ちだった。


もうスケートも興味がなかった。


彼女がいなくては、スケートなんか面白くもなんともなかった。


彼女がいるからこそ、すべてのことが楽しいのに……。


耕治は友人の村上にせかされて、やっと電車に乗った。


もしやと思って、車内を見回して見たが、いくら探しても彼女の姿はなかった。

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