第7話 ロジウラキッチン初めて物語

タイトル『ロジウラキッチン初めて物語』

キーワード 『恵子』『節子』『玲子』


「も~もたろうさん ももた~ろうさん

お腰に付けた黍団子 ひとつ私に下さいな……」


「またか……」


 ではなく、私の名前は玲子ですよ」


「名前じゃなくてね……三人目のお供も、ばぁさんなのかよ!」


「ばぁさんじゃなくて、れっきとしたおばさんです!」


「どっちでもいいよ! はぁ、これで本当に鬼退治できるのかな?」


黍団子きびだんごぐらいで鬼退治に行く人が、この人手不足の時代におりますかな?」


「人じゃなくても、イヌでもサルでもキジでも良かったんだけどね!」


「犬畜生と一緒にされては困りますね。人間の方がいいに決まっているでしょう?」


「そうかなぁ?」


「そうに決まってるでしょ? もう、早速行きましょう! 鬼ヶ島! ところで、送迎のハイエースはどこだい?」


「ハイエースの送迎なんか来ませんよ! 介護施設じゃないんですから!」


「だったら『漆黒の野獣ヴェルファイア』とか……」


「漆黒の野獣? そんな中二病臭い愛称の車も迎えには来ません! 船まで歩きです!」


「こんな年寄に、そんな重労働を課すのかい? ブラック通り越してダーク企業だね」


「企業じゃないし! 僕は桃太郎! 日本一の桃太郎なの!」


「企業じゃなくて、個人事業主か……日本一のダークピーチ太郎」


「変なとこをアレンジすんな! 早く! こっちに来て! あっちでみんな待っているんですから……」


「玲子! 玲子じゃないか!」


「あら? 節子! それに恵子も!」


「まさか、こんなところで、玲子、節子、恵子の三人が揃うなんてね!」


「ところで、こんなところで何をしているんだい?」


「ハイエースを待ってるんだよ」


「いやいや、だから、ハイエースは来ませーーーん!」


その後、節子、恵子、そして玲子の活躍で、鬼が島の鬼は一網打尽にされた。

持ち帰った宝物を資本に始めたお店が、今でも博多の路地裏で営まれている。


その名も『ロジウラキッチン』


様々な人たちが集うお店です。



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