性別Z 3

※ ※


「君は自分の身体に疑問を持ったことはないのか?」

「疑問? 何よ、それ」

「いや、子供を作らないカミアンに、なぜ性器が付いているのかと」

「ああ……その話を聞いたのは二度目だわ」

「初めてしたはずだが」

「アナタじゃないわよ」

「……誰がそんなことを」

「人間よ。アタシを愛してくれた、ね」


※ ※


 苦しそうで、それでいて、どことなく悩ましげにも見えるような表情を、アイサが見せる。

 種の保存には何の役にも立っていない、飾りでしかなかった私の性器の先端に、何かが触れた。そのまま、その何かが私のものを飲み込んでいく……


「ア……アイサ」


 アイサのスカートの中で、一体どのようなことが繰り広げられているのだろうか。私のものが奥へ、奥へと飲み込まれていくたびに、強烈な電気が背中に流れるような感覚に襲われた。まるで、私の感覚中枢が、剥き身で握りしめらているようだ。

 それは、痛みなのか、それとも、快感なのか。分からないまま、その刺激に耐えるために自然と身体が反り返った。


「あ……」


 アイサの口から一つ声が漏れると、アイサはうっとりとした目で、固まったまま身動きの取れない私を見下ろす。


「やっと……ほんとに一つになれたね、ヤナ」

「ア、アイサ……」


 私のものを奥まで飲み込んだ何かは、それに飽き足らないように、私の『全て』を飲みこもうと激しく蠢いてた。


「一体、何が」


 頭の芯に強烈な電流が流れているような感覚。それを我慢しようと自然と呼吸が止まるが、耐えきれずに時折口から、かはっという音とともに空気が出入りをする。

 アイサがおもむろに、両手でスカートのすそをつまんだ。そしてゆっくりと持ち上げていく。


「ほら、見て。アイサとヤナ、繋がってるんだよ」


 間断なく私を襲う刺激の中、霞んでいく視界に、私のアイサの結合部分が露わにされた。


「もう、離さない……永遠に」


 そのアイサの言葉に反応したかのように、脳の奥深くが痺れる。下半身に込み上げてきたものが、抑止する余裕もなく一気に吐き出された。私のものを咥えこんで離さないアイサの『器官』の中に、全て。

 それを感じ取ったのだろうか、アイサが顔に微笑みを浮かべた。


 それは果たして、天使のものか、それとも……


 しかし、私のものを刺激するアイサの動きは、止まることはなかった。更なるものを要求するかのように、アイサの器官は蠢き、私を刺激し続ける。

 脳の奥底を揺さぶるような感覚に、私は再び、アイサの中へと、下半身に込み上げてきたものを吐き出した。


 右手をアイサの方へと伸ばす。しかしアイサはその手を握ると、ベッドへと押し付け、私に覆いかぶさった。


「ダメ……まだ……まだよ」


 一体それが幾度繰り返されたのだろうか。次第に視界が真っ白になっていき、数えきれないほどの絶頂の後、とうとう私の意識は、モニターを消すかのように途切れてしまった。

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