ルーシーと魔法と元神と ~後~
「勝ち目がない……ですか。大きく出ましたね。ですが残念。勝ち目がないのは一貫して姉様の方に変わりありません。」
「どうかしらね……その身をもって味あわせてあげるわよっ!!【
さっきまでとは比べ物にならないほど巨大な炎がアブの方へと巡る。
「さすがに審判が止めるかとも思ったが……。エリックの野郎、寝てやがる。
仕方がない。終わらせるか。」
「んっ!【
巨大な黒い炎が渦になりルーシーを巻き込む。
しばらくして見えたルーシーは蒼い防御を失い、立っているのがやっとの状態だった。
「ア……ブ…、わた……し……」
アブが駆け寄ると安堵を混じえた笑みを浮かべながらアブの腕に眠った。
原因は魔力の超過使用。
そっとしておいてあげれば治るものだ。
そんなルーシーを連れて帰る途中、家から走ってきたユリーナと鉢合わせになる。
ユリーナは焦った顔で駆け寄り、2人の姿を見ると泣き出した。
「うわああああっ!良かった、本当に、良かったぁー。いきなり、黒い炎が、上がったから、なにか、あったんじゃないかって」
「ごめんね、ユリーナ姉さん、大丈夫だから。」
「うん…アブ………」
ユリーナはアブを両手で引き寄せ、ぎゅっと抱きしめる。
アブはエリックの始末を考えながら、エリックを寝たまま置き去りにしてきたことを思い出す。
次の日にルーシーから学園への飛び級を勧められ、断るのに数時間かかった。
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