ルーシーと魔法と元神と ~中~
「はいはい‥」
「気を付けなよ、アブ…姉さん、王都の学園の首席だから。」
「関係無い。言いなりになる訳にはいかないからね。見てなよ」
「じゃあエリック、取り敢えず耐久値500程の防御壁をかけて頂戴。」
「え、出来るかな…」
「何言ってるの、父さんにも習ったんでしょ?出来なかったら……」
「……やります、やりますから!」
「じゃ、アブ。始めましょうか。」
「えぇ。捻り潰してやりますよ。」
「【
アブとルーシーを蒼い防御壁が覆う。
王都の魔法の模擬戦では魔法を撃ち合い、
この防御壁が先に崩れた方の負けとなるらしい。
「じゃ、はじめるよ。構えて…」
ルーシーは杖を構え既に勝ち誇ったような表情をしている。
「―――初め!」
「我求む、偉大なる炎よ、我が力に依りて
巨大な炎を紡ぎだせ―!」
「あれは…詠唱か。」
ルーシーの詠唱に合わせ炎がどんどん大きくなっていく。
ある程度大きくなったところで、口を開く。
「火属性魔法、【
アブの足元に6つの魔法陣が浮かび上がり、巨大な炎の柱がアブを囲む。
「連絡魔法、【
アブを囲っていた炎の柱が変形し、完全に外と中とを隔離する壁となる。
「アブ、可愛い弟にあんまり酷いことはしたくなかったけど、言うこと聞いて貰えるってなったら別、あんまり悪く思わないでね?」
「はぁ、こんなものですか。」
アブが手に魔力を込め炎の壁に手を突っ込み、引っ掻き回し打ち消す。
「え?き、消えた?…」
「格の違いというところですよ。でも、あなたの真の力はこんなものでは無いでしょう?」
「え、えぇ。そうよ、こんなちゃちな魔法で決着が着くとは考えてないわ。」
強気の発言をし、平静を装うがその表情は誰が見てもわかるぐらいに引き攣っている。
「【
「【
ルーシーから打ち出された火の玉が次々と消されていく。
「そんな、なんですって……」
「今度はこちらからです。【
「くっ…【
「【魔力強制解除】」
「へ、?嘘……っ!」
ズダダダダダダダッ
打ち出された幾千もの石礫がほぼ前段命中する。
しかしまだ完全には削りきれなかったのか、
ルーシーの周りは蒼い。
「ふぅ、ふぅ……、なんで、こんな、強いのよ……」
「姉様が弱いのでは?」
「ぐっ……馬鹿にしないで!」
「大した魔法は使っていませんよ。で、どうしました?固有魔力の反応が見られないのですが。負けるまで出し惜しみですか?」
すると、ルーシーの背中から黒い
「ん?なんですかそれは」
「これは私の固有魔力、【
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