危険だから使う。

ゴブリンを始末したあと、興味本位で少し森の奥の方へ進んでみた。

すると、ゴオオォッ という地響きがした。


「ん?魔物でもいるのか?」


そう呟き、音のした方見るとそこには、

大きな黒い生き物がいた。


「あれは……?」


まだ食べた記憶はない。


―ガサ


「やべ」


するとこちらに気がついたのかその生き物は

もの凄い形相でこちらに向かってくる。


「仕方ない。これが危険な時だ。

連弾真空刃タクティカルエアバレット】」


―スパパパパパパッ


そんな音とともに大きな生き物の首が吹っ飛び、その場に前のめりに倒れ込んだ。


「持って、帰るか?これ。」


多分だが私の感が告げている。

この生き物は食べられると。


「ただいま〜」


「あら、おかえり。案外遅かったのね」


「あ、ミーナ母さん、ただいま。」


この人は私の母親に当たる人物。

やっぱり野菜を抱えている。

怒らなければとても優しい人だ。


「ん?アブ、ちょっと待ちなさい。」


「何?どうかしたの?」


「どうかしたのはこっちのセリフ。

何よそのクマ?ブラッドベアーよね?」


「え?森で―」


事の成り行きを説明すると母さんはとても驚いていた。

どうやら私が潰したこの生物はブラッドベアーと呼ばれるらしく、本来は通常のクマなのだが、何らかの影響で魔物化したものらしい。


だが驚いていたのはそこではない。

このクマ、どうやら[ギルド]と呼ばれるところでAランク判定をもらっている者がいてやっと討伐できる魔物らしく、子供の狩れる魔物ではないという。


その日の夜にクマの肉は出てこなかった。


理由を問うと、生臭くてとても食べられたものでは無いみたいだ。


ただ、「あまり危険な真似はするな」と言われたぐらいだ。

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