車中で出会う恐怖
初めて向かう会社への道中でどうやら道に迷ってしまったらしい。
車についていたナビが動かなくなったあと、事前に調べた道を記憶を頼りに進んだ結果だ。
ゆっくりと動きながら周囲に気を配り、何か大きな建物や目印になるものはないか見渡す。
村の中の道を進んでいるようで、まばらに家はあるものの人とは全くすれ違わない。
ついさっき畑仕事をしている老人を見かけたが、作業の手を止めて車中の自分をうかがうように見ていた。
そのときは、あまりにも気持ち悪さをを感じたので前だけを見て運転していた。
まっすぐな道を運転しながらスマホから相手の会社に電話をかけて報告する。
幸いなことに、時間は大丈夫なので気を付けてくるようにと言われ、さらに近くのコンビニの場所まで教えてもらう。
そのコンビニが見つかればすぐそこだと。
車中からぐるりと見渡すがコンビニは見当たらない。
それと、スマホでナビは見れないんですかと聞かれた。
そこでようやく自分のスマホにもナビの機能があることに気付く。
重ね重ね礼を言い、電話を切った。
ホーム画面の時計を見ると約束の時間まであと30分余り。
急がねばとスピードを上げた。
ナビのアプリを久しぶりに起動する。
ナビによれば周りにはコンビニはないことが分かり、さらにスピードを上げる。
おかしい。
村道がこんなに長く続くことってあるのか。
かれこれ数十分は村の中を走っている感覚があった。
もう一度ナビを見ると、奇妙なことに気付く。
自分は確かにアスファルトの道を進んでいるのに、ナビでは道の無い所を進んでいることになっている。
どうなっているんだ。
驚いてスマホを取り上げ、操作する。
しかし、どのボタンを押しても反応せず、道の無い所を進み続けていた。
なんでだ。
不思議に思ってナビの動きを眺めていた、そのとき。
車内を揺らす衝撃が。
携帯電話等に関わる交通事故件数は2018年で2790件ありました(警察庁)。スマホによる”ながら運転”は注意がそれて事故につながります。さらに、2019年より厳罰化される見込みです。
恐ろしい話です。皆様もお気を付けください。
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