第2話ールメイ・イグナス叙事詩 序文ー

 ーかつて地の果てより来たりしまれびとは、まさに災禍の化身なり。

 ー率いし翼持つ獣は地を焼き湖をも沸騰させた。まさに暴虐の限りを尽くした。

 ー野に水無く、生き物無く、人心は荒廃せり。

 ーだが地に降臨せし我が天祖、見事その獣を打ち破りて地に平和を齎もたらすなり。

 ー賓は哀れ、その故国をも追われ畜生どもの森にて死に至るという。

 ー人々は天祖の元にこそあり。彼の前に跪き、頭を垂れよ。

 ー我ら天祖を讃えよ。彼の名はルメイ=オルトゥス=ロヴェル、彼こそ我ら全ての救世主なり。


 ールメイ・イグナス叙事詩 序文よりー



 サルタン皇立図書館地下3階

 機密文書保管室所蔵 [非公開]

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