補遺の様なあとがき

本来、WEB公開の作品にあとがきは書かないのだが、この作品だけは補足的に作者の意見を交えてあとがきを書いておきたい。

本作は応募用の長編を、短編用に大幅に修正・再構築したものだが、その骨子は変わっていない。

私は、ヒューマンドラマとしての小説の体裁を保ちつつ、読者の常識を破壊してやりたくて、この作品を書いた。

SNSの発達による個人の意見や意識が力を持ち始め、現代の社会にいい影響を及ぼし始めている反面、それをいい事に主観的な正義感や押し付けがましい意見を主張し、相手を言い負かせようとする人も目立つようになった。

これは、自覚無自覚を問わず、そうした個人の抱える「常識」や「当然の理論」などあくまで主観に過ぎないのだという事を、読者に気付いて欲しくて書いた作品だ。筆者の力量不足でそれが十全に伝わっていなければ申し訳ないけれど。

それでも、読者が当然だと思っていた全てが、本作のラスト一文で全て破壊出来て、尚且つもう一度作品を冒頭から読み返したくなる心持ちになって頂けたなら、これ以上の事は無い。

どうか、読者にはショックを受けて欲しい。

昔私が感じた感覚そのままに。

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